貧乏 ページ5
放課後―
貴方「元気だしなよ」
蜜柑「柚月は悲しくないん？蛍はうそつきや...あっさり切り捨てられる存在やったんかな？」
貴方「蛍がそんな子だって本気で思ってるの？」
蜜柑「だって....」
早く帰りたかったけど、蜜柑がこの状態だからなー
そんな2人にある会話が聞こえてきた
「この度は、お嬢さんの件で本校に多額の寄付を頂き誠に有難うございました
今井さん」
↑
ピクッ
今井？
「お陰で廃校寸前のこの学校も何とかやっていけそうです」
蛍母「娘たっての希望でしたので」
蛍のお母さん....と校長先生
蛍母「あの子はこの町が大好きでしたから
転校ばかりで今までろくに友達も出来なくて
やっと心から打ち解け合える友達と出会えたこの学校を、たとえ自分がアリス学園に行ってでも.....
守りたかったんだと思います」
え....
蛍母「あの子がアリスと分かった時点で
いずれこの日が来ることは心のどこかで覚悟していましたから
もしろ今は、そんな気持ちを持ってくれたことが嬉しくて
あの子は変に不器用で...
こんな形でしか自分を好きになってくれた人達に
気持ちを表すことが出来ない子だから...」
今のって....
ｶﾞﾗｯ
音を立てると２人はウチと蜜柑に気付く
蛍母「蜜柑ちゃん 柚月ちゃん....っ」
蜜柑「...今の話本当？」
貴方「蛍はウチらのためにあの学校行く事になったん？」
蜜柑「蛍が行ったんウチらのビンボーのせいなん？何で蛍ウチに黙って
ウチてっきり...
てっきり蛍、ウチらのことどーでもよくなったんや思て...」
蛍母「蜜柑ちゃん達のせいじゃないの
遅かれ早かれ、蛍はどのみちあの学校に行く事を避けられなかったのよ。
蛍は柚月ちゃんと蜜柑ちゃんのこと大好きだったから...
きっと、２人の一番悲しみの少ない方法でここを去ろうと思ったんだと思うの」
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作者名：いちご大福 | 作成日時：2020年12月24日 0時
