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大学の授業終わりに、佳奈とショッピングをしている時だった。
たくさんの人混みの中で、大倉くんの姿を見つけた。
隣に女性を連れて歩いている大倉くんを。
「佳奈！ねぇちょっと見て」
「え、大倉くんじゃん。隣の人誰？」
「知らない」
声をかけるわけでもなく、私と佳奈がこっそり見ている中で大倉くんとその女性は笑い合いながら某有名なアクセサリーショップに入っていった。
クリスマス、予定ないって言ってたのに…
その後の佳奈との夜ご飯も、表面的には明るく過ごしたつもりだけど心の中ではずっと大倉くんとあの女性のことを考えていた。
長い付き合いの佳奈だからそんな私にもきっと気付いていただろう。
あえて普段通りに接してくれるあたり、本当に優しいなと思う。
21時ごろに帰宅しても、家にいたのはお兄ちゃんだけで大倉くんはまだ帰ってきていなかった。
お兄ちゃんはもうお風呂に入った後で、私もすぐにお風呂入ってからソファーでテレビを見ているお兄ちゃんの隣に座った。
「大倉遅いなぁ」
なーにしてんねやろ、とお兄ちゃんが呟く。
「女の人と、一緒にいたよ」
私も詳しくは知らないし、見たままの事実を伝えた。またあの光景が思い浮かぶ。
一瞬の出来事だったのに女性に向けられた大倉くんの笑顔を鮮明に覚えてる。
「なんで？！」
お兄ちゃんも知らなかったようで、すごく驚いている。びっくりしすぎて声がジャパ◯ットたかたさんみたいに高くなってるよ(笑)
「しーらないっ。
今日で恋人出来たりしたんじゃない
……あれ？」
佳奈のときみたいに明るくしてようと思ってたのに、相手がお兄ちゃんだとダメみたいだ。
自分で言った言葉に勝手に傷ついて
涙がポロポロと溢れてきた。
お兄ちゃんはそんな私を見て、肩をグッと引き寄せてから優しく頭をポンポンと撫でてくれた。
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作者名：なっちゃん | 作成日時：2018年11月2日 0時
