お兄ちゃんの友達の大倉くん（緑） (ページ18)

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エレベーターに乗り込んで、大倉くんがササッとボタンを押してドアを閉める。

よっぽど早くあの空間から抜け出したかったんだな(笑)

ガタンとドアが閉まると、大倉くんはへにゃりとその場にしゃがみ込んだ。

同時に繋がれていた手も離れてしまって、いくら彼女のフリで繋いでいたとはいえ、少しだけ寂しい。

「痛いってぇ。あいつ本気で叩きすぎやろぉ」

頬をさすりながら大倉くんが言った。

バチンってすごい音してたし、相当痛かっただろう。

「大丈夫？」

「うん。Aちゃんごめんなぁ、変なところ見せてもうて」

と、私の方を見て言う。

うわうわ、大倉くん上目遣いになってるよ。
普段は大倉くんの方が背が高いからこれは貴重だ。

大倉くん×上目遣い＝反則

この方程式が私の中で成り立った。

「マナミさんはもういいの？」

「いいも何も、あっちが勝手に勘違いしとっただけやし…
あ、いきなり彼女とか言うたのもマジでごめん。こーした方が手っ取り早く諦めてくれるかなと思ってん」

上目遣いの大倉くんに言われると、なんでも許せちゃう気がした。

「私は全然大丈夫だよ！」

「紅茶取りに来ただけやのになんでこんな目に合わなあかんねん…」

マナミさんとの遭遇は思ったよりも大倉くんにダメージを与えたらしい。

「次は良いご近所付き合いができたらいいね」

それくらいしか返す言葉がなかった。

ここでちょうどエレベーターが1階に着いた。

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