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ページ42

中野side







“『違います。……私、今日 “ 打てる日 ” かもです』”







そう言って打席に向かっていったA。







山田「……なぁ、今あいつが言ってた “ 打てる日 ” ってなに?」








牧「俺も気になりました」








「……Aはシーズンに数回、やたらボールが見える日があるって言うんです。


Aは “ 打てる日 ” って言ってますけど、僕達のチームでは “ 見える日 ” って呼んでます」








山田「へー。その日は打つとか?」






「はい。やたら打つし、甘い球来なかったらフォアボールで塁に出る。とにかく打てない時がないっす」







牧「……あっ、1回ベイスターズん時あったかも」







山田「ほんまに?どんなやったん?」







牧「何投げても余裕そうって言うか、こっちからすると何投げても打たれそうって感じでしたね。


確か4安打、6出塁とかされましたよ」








山田「……えっぐ、なんやそれ。……え、で今その状態ってゆうてた?」






「……言ってましたね、」






とは言ったものの、実際この大会はずっと打ててないA。




そんな簡単に打てるものなのか、少し不安に思った。






こうして哲人さんと牧と話してたら、ムネが同点タイムリーを打った。







みんなはムネのタイムリーに盛り上がってたけど、俺は次のAの打席が気になって仕方なくて、素直に盛り上がれなかった。







源田「なんで拓が緊張してんの!」






俺の様子があまりにも変だったのか隣に来てくれた源さん。







「いやぁ〜、ヤバいっすよ。足震えてますもん」







山田「中野が打席立つんちゃうやん」








「正直自分が立つ時より緊張します」







源田「重症だな〜」







源さんにも哲人さんにもそう言われながら、Aの打席を見守る。







だけど初球を打つもんだから、俺のこの緊張なんてすぐ飛んでしまった。








「……………ヤッバ、」







ほんとに打った、てか打球全く見てないし。






みんなが喜んでAの方へ走ってく中、緊張の糸が切れた俺は足に力が入らなくなっていた。





源田「なにしてんのさ〜Aのとこ行かなくていいの?」






「いや行きたいんですけど、足が……、」




そんな情けない俺の姿を見て笑ってる源さんは、きっとAのところに行きたいだろうに俺を支えてそばにいてくれた。





そんな優しさと、Aが打った喜びで少し目頭が熱くなった。





源田「あ、哲人が呼んでくれてる」





源さんがそうボソッと言ったから、この顔を見られたくなくて下を向いたけど、今だけは許して。

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ひな - 今まで見た中で一番面白いです!続き待ってまーす  (1月21日 20時) (レス) @page44 id: 9ec4ffa748 (このIDを非表示/違反報告)
乃絵留(プロフ) - オリ.フラ付いてます。わざとだったらすみません (12月1日 16時) (レス) id: 49cfacfa3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゅら | 作成日時:2023年11月25日 21時

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