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『え、何してんの。早く行きなよ』
山本「うん、だから今から言うことさっさとやってな」
由伸の言ってる意味がわかんなくてポカンとしてると、目の前に右手を差し出された。
『……？』
山本「おい。なに？みたいな顔してんな」
『いやだって……ほんとになに？』
山本「初戦。翔平くんにしてたでしょ」
『………あっ』
そう言われてやっと思い出した。
初戦、先発だった大谷さんが同じようにやって来て手を握ったこと。
『あれすればいいの？』
山本「……ん、早く」
それが人に頼む態度か……と思いながらも、由伸の手を大谷さんにやった時と同じようにギュッと握る。
山本「……………ん、おっけい。ありがと」
『あのさ、大谷さんにも言ったけど別に魔法とかかけられるわけじゃ…、』
山本「うっさいなぁ。いいから。じゃ行くわ」
最後に私の肩をポンポンと2回叩いて、ブルペンに向かっていった由伸。
その後ろ姿がいつもよりなんとなく小さく感じて、あの時の大谷さんと少し重なったのは由伸に内緒。
:
試合が始まった。
初回からこっちの先発のろーたんも、あっちの先発のサンドバルも三振の山を築く。
ろーたんに強めのピッチャー返しがあったりしたけど、どっちも順調そうに回を進めてると思う。
牧「あのピッチャー、打ちにくそうだな」
『……うん』
牧もそういうくらい、ベンチから見ててもサンドバルは打ちにくそうで、
打席に立って三振だった哲人さんもベンチに帰ってきてから「…打ちにくいわぁ」ってぼそっと言っていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そして、試合が動いたのは4回表。
ろーたんがヒットではあるけど、2連打をくらってツーアウト1.2塁。
中野「さっきのピッチャー返し打ったバッターか」
ムーさんがそう呟いた次の瞬間だった。
相手のバッターが打ったボールが左中間に吸い込まれた。
牧「………マジか」
打った瞬間にホームランとわかる当たり。
日本の若きエース、佐々木朗希からホームランなんて何度も戦ってる日本の打者でもなかなか打てない。
中野「……これがWBCか」
予選、準々決勝と順調に進んできた私たちにとってこの試合が苦しい展開になる事は、きっと誰もが思った瞬間だった。
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ひな - 今まで見た中で一番面白いです！続き待ってまーす (1月21日 20時) (
レス) @page44 id: 9ec4ffa748 (このIDを非表示/違反報告)
乃絵留(プロフ) - オリ.フラ付いてます。わざとだったらすみません (12月1日 16時) (レス) id: 49cfacfa3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅら | 作成日時：2023年11月25日 21時
