対メキシコ ページ25
周東「実は俺、足痛いんだよね」
今日は前回のWBCで侍ジャパンが敗れた準決勝。
相手はメキシコ。
油断ならない相手で、試合前の練習から少し空気がピリついてる中、周東さんがそんなことを言い放った。
『…………今、なんて言いました？』
周東「だーかーらー、足！やってんだよね」
『……コーチは、』
周東「言ってない。言ったら帰らされるでしょ？嫌だよ」
なんて、当たり前だろって顔で言われるから何も言えない。
周東「ちなみにこれ、近さんとAちゃんぐらいにしか言ってないから。よろしく〜」
そう言ってほんとに痛めてるのかると思うスピードで走り去ってしまった周東さん。
………………サラッとすごいことを言われた気がしたけど、無視しようと決めた。
今日は哲人さんと源田さんが二遊間でスタメン。
国際経験豊富でこの大会で実績も出してるし、2人なのは納得。
と、思う反面。
やっぱり少し悔しいと思ってる自分がいて、まだこういう気持ちが死んでないことに良かったと思う自分もいる。
『源さん、頑張ってください。あ、でも無理はしないでください。準備万端にしとくので』
源田「はは、ありがとう。頼もしいな〜」
私の頭を折れてる小指のある方の手で撫でてくれる源さん。
山田「おい。俺にはなんかないんか」
そんな私と源さんの間に入って、朝の彼はどこいったんだというくらいいつも通りの哲人さん。
『……別に哲人さんは私が言わなくても勝手に活躍しますもん』
山田「……あっそ」
源田「なに？何か空気変じゃない？なんかあったの2人」
『ないです！』
山田「ないわ！」
源田「おー、息ぴったり。てかA、まるで俺がAに言われないと活躍できないみたいじゃん」
『っあ！そういう意味では…！！』
源さんに言われて自分が源さんに失礼なことを言った自覚をする。
源田「ふふ、わかってるから。ありがとね」
でも結局は源さんの優しさに救われる。
この優しさに何度この大会、救われてきたんだろう。
『……源さんだいすきです、』
源田「えー、かわいい。阪神に帰したくないなぁ」
山田「……なぁ、俺には？」
『もーう、哲人さんうるさい』
源田「うるさいね〜」
山田「なんやねん。いつそんなに仲良くなった？」
源田「哲人が知らないだけで結構前から仲良いよ」
源さんのその一言で、3人とも笑ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 819人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな - 今まで見た中で一番面白いです！続き待ってまーす (1月21日 20時) (
レス) @page44 id: 9ec4ffa748 (このIDを非表示/違反報告)
乃絵留(プロフ) - オリ.フラ付いてます。わざとだったらすみません (12月1日 16時) (レス) id: 49cfacfa3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅら | 作成日時：2023年11月25日 21時
