少女の願い ページ10
〈ギラside〉
ジェラミーの一言で
Aの顔が一瞬曇ったように見えた
『あぁ…この目は……』
しかし、瞬きする間に元の表情へと戻っていて
見間違い……だったのか…?
『お気になさらず、ちょっとした不注意です』
「……そうかい」
不注意……
そう言われれば納得できるが
でもなんだか……違う気がする
そんな言葉を喉で押しとどめる
頭のどこかで今この言葉を発してはいけないという
謎の圧が頭を駆け巡っていた
『……ご安心を、この包帯は内側からは見えるように作られた特別製ですので』
「もしかしてそれ、イシャバーナにあるお店の…?」
『流石、ヒメノ様はご存知のようですね』
「当然よ、あのお店は国で一番の仕立屋だから」
『はい、私もとても驚きました』
「何でもいいけどよ?結局お前は何しに来たんだ」
さっきの話を聞いた限りだと
"王を正すために来た"ってことになるけど……
『……』
Aの表情がみるみるうちに曇っていく
思いつめているようだが
同時にもう全ての答えが出ているような
言語では言い表せない、そんな複雑な表情
『……天告者は代々王に使える運命、それは分かっているのですが……無礼を承知で国王方にお願いしたいことがございます』
「……おっと」
"何やら物語の予感がする"
ジェラミーが嬉しそうにつぶやき、同時に他の王たちがゆっくりと腰を下ろす
リタさんだけは早く帰りたそうにしていたけど
ヒメノが何かを耳打ちして、渋々腰を下ろしていた
「少々長くなりそうですからねェ、ゆっくりとお聞きしましょう」
『……ありがとうございます』
いつの間に取り出したかわからない杖のようなものをついてAは少し切なそうに微笑み、深呼吸をして話し始める
『皆様に……私を殺して頂きたいのです』
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白湯 小5 - 王様戦隊.......大ッ゙好きなので長編投稿してくれるのめっちゃ助かります!!設定とかもすごい好きなので、是非!完結頑張ってください!更新いつまでも待ってます! (2月29日 15時) (レス) @page25 id: ff87142a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さすらうサイダー@さくらぁ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b3818ccd101/
作成日時:2023年6月3日 20時