青眼の天告者【王様戦隊キングオージャー】 (ページ18)

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恐れと憂いの色ページ18

〈ギラside〉

その日は突如として訪れた

「お前は…！！」

『２年ぶりですね、ギラ様』

2年前と全く同じ姿で

同じ笑みを浮かべて

Aは僕の前に現れた

不意にオージャガリバーを構える

その様子を見てもAは表情1つ変えることなく

話し始めた

『思った通りでした』

「え…？」

『ジェラミー様ならば、この様な結果になる選択をすると、予想は付いていました』

「……わかってたのか、こうなる事」

Aの顔から笑みが消え

異様な雰囲気を放ち始めた

目は見えないが、空を見上げ

何か思い悩んでいるのが分かる

『あの方とは過去に一度、お会いしていますから』

「……A、お前いった……」

『聞いてどうなさるのですか』

「…！」

Aから湧く威圧感

この感覚は、二年前のヤンマの時と同じだ

全てを見透かされているかのような

操られているような

これは間違いなく

"天告"だ

『ギラ様、貴方は恐れているものがある』

『それは、戦いの中での犠牲とそれによる亀裂』

「……っ」

『ダグデドの果てしない強さを目の当たりにし、恐怖を募らせている』

恐怖……

認めたくなんて無い

けど、言われても否定できない

ダグデドの力は強すぎる

それでも……

『それでも、戦う他ない……そう自分に言い聞かせているのではないですか？』

「な……」

どうして分かるんだ…？

一体"天告"とは何なんだ？

『……恐れる事は間違いではありませんよ』

また、Aの顔に笑みが浮かぶ

口が貼り付けたように綺麗な弧を描いている

『その恐怖を胸に残したまま、あのダグデド相手に啖呵を切ったのは、貴方だけです……民を守ろうとする姿は王として相応しい物でした』

Aの雰囲気が元に戻るのと同時に

この不思議な感覚も途切れていく

僕はヤンマ達みたいに頭が良くない

だけど、何か引っかかる

うまく言葉で表せない使命感と

確実に残っている違和感

「やっぱり気になる…」

『……』

どうして今また現れたのか

何故僕に天告をしたのか

天告とは何なのか

Aは一体何者なのか

二年前に言っていた使命とは何なのか

「……A、お前は何を隠してるんだ？」

どうして………

「＿＿？」

『………！』