■7話 話がある。 ページ10
プライドをしぼりあげた一言だった。
しかし、そんな私の思いも空しく、声をかけた先には誰もいなかった。
張本人はというと、女子に囲まれて、何やら質問攻めされているようだった。
まあ、モテるもんな。
ちなみに今のはイヤミだ。
例によって例のごとく嫌そうな顔をしているわけだが。
プライドを台無しにされた私が不満を隠さずに思いっきり顔に表していると、死神が人だかりから顔を出し、私にひとこと。
「御影、少し話がある。放課後、屋上にこい」
この状況でまさかの指名。
私は拍子抜けして、えっ?と声を漏らす。
死神を取り巻いていた女子たちは、えーっ!?と声をあげる。
「零斗君って、Aが好みなの〜!?」
そんな少女たちの疑問を。
「くだらないことを言うな」
一途両断してしまうのであった。
それにしても、話ってやっぱり昨日のあれのことだよね……。
少々気ノリはしないものの、ここでいかないのも賢明な判断ではないだろう。
相手は死神だ。
しかも、私の魂を狙ってると来た。
いったいどんな話をされるというのだろうか。
まさかとは思うが、全部誰かが仕掛けたドッキリだったしりして。
私の周りの人たちならやりかねない。
……それとも。
話がある、と呼びかけておいて、今日本当に殺されるのかもしれない。
嫌だ。
もし今日殺されるのだとしたら、あまりにも早すぎる。
確かに、私はこの平凡な世界に呆れていたが。
まだやりたいことはたくさんある。
…私、まだ死にたくない…………!!
そうと分かればすることは一つだけ。
あの死神とやらにできるだけ反抗しなければ。
死神かなんだか知らないけど、魂狩られてたまるか!!
深呼吸をひとつ。
それから思いきり屋上のドアを開けた。
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ハル - 面白い!めっちゃ私好みのストーリーです!これからも頑張ってくださいっ! (2017年8月27日 3時) (レス) id: 3dd35a5ede (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - 面白かったです( ´ ▽ ` )ノ (2014年5月14日 20時) (レス) id: 32ff600bf0 (このIDを非表示/違反報告)
リネン(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます! (2014年5月14日 15時) (レス) id: f41e9de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
yuura(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2014年5月12日 14時) (レス) id: e1108316ad (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 更新ファイトです!楽しみでお待ちしています! (2014年5月1日 22時) (レス) id: a778b4f818 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉流 美音 x他2人 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/Kent
作成日時:2014年4月12日 22時