平凡少女、死神少年。【名前変換オリジナル】 (ページ4)

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■２話死神なんて。ページ4

「はぁ……」

盛大にため息をついてやった。

この退屈な世の中に向けて、だ。

「何か…何かおきないかなぁ……」

この退屈な世界が、変わってしまうような何か。

私はずっとそれを望んでいるのだ。

そのときだ。

突然、ビュオッ…と、風が吹いた。

一瞬驚いて、目をギュッとつむる。

その風は、私の前を渦巻くように、吹いた。

やがて、風は止み、そのかわり、いままで誰もいなかった場所に、一人の少年が立っていた。

黒いローブに身を包んだ、とても恐ろしい雰囲気のある少年。

「お前が、御影Aか……」

…不気味すぎる、というか、つっこませろ。

今の風はなに？何故黒ローブ？あとどうして私の名前を知っている！？

って不審者かーいっ！！……ごめんなさい。

そして

「あんた、誰？」

「俺…？俺は……夜神零斗、死神だ」

「死…神……？」

それは、恐ろしい変化だった。

あまりのリアリティのなさに、無意識にふっと笑ってしまう。

でも、この少年の目は……

「嘘つかないで、何の冗談……？」

「冗談などではない…そして……」

そんな、恐ろしい変化でも

私が望んでいた、素敵で不思議な変化でなくても…

こんな、退屈な、世の中からの……

『逃げ道』ならば…と、そう思った。

「俺は、お前の魂を狩りにきた……」

……半信半疑だ。そもそも死神なんて、物語の中でしか聞いたことがない。

その死神に、魂を狙われることなんて…ある？ないよねぇ！？

でも、そんな疑問が消えてしまうほど、本当に少年は死神なんじゃないかと思うほど、

少年の目は冷たく光っていた。

「分かっているのか？俺は本気で言っているんだ」

そう言いながら、私に歩み寄る。

そして、すれ違いざま…

「お前は死ぬ」

恐ろしい殺気に思わず振り向いた。

「……あれ？誰も…いない」

つい先ほどまで

変化を望んでいたはずだ

死神に魂狙われるのも悪くないかな、と思っていたはずだ

日常なんかつまらないと思っていたはずだ

少年は本気で私を殺しに来る

怖い、怖い…

「……べっ、べつに私、死なないし………………」

我ながらくだらないセリフを吐いたなと、

そう思いながら、私も家路に着くのであった