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『ね〜、棘くんそれいつ終わるの〜?』
「いくら…」
『う〜ん、手伝いたい気持ちはあるんだけど…
さすがに高校の勉強はできないなぁ』
いつものごとく2年の教室に突撃すると、棘くんが頭を押さえながらペンを持ってじぃ…っと紙を睨んでた。
報告書かな?と思って覗き込んだら補充のプリントだったようで、解答欄が見事に真っ白。
『真希ちゃんとパンダくんは?』
「明太子」
どうやら先に終わらせて体を動かしてるらしい。
そんなに時間かかってるの?難しそうだなぁ…
まだしばらく終わらなさそうだよね。
私も学校の宿題しよ〜っと!
夕空が覗く静かな教室にしばらくペンが滑る音だけが響く。
棘くんのペンの音は聞こえないけど。
よし、お〜わりっ!
そんな時ガラガラと扉が開く音がした。
「うわ、棘お前まだそれやってたのかよ…
お、Aもいんじゃん。よっ」
「おかか…」
『真希ちゃんよっ!パンダくんもよっ!』
「よっ。棘、それ悟に見てもらえば?教えてくれるだろ」
「私らが説明しても訳分からんみたいな顔してたしな」
それは私も言ったんだけど、自力で解きたいらしい。
解法わかんないのに解けるの…?
「ほら棘、早く終わらせねぇとA帰るぞ。
A〜、棘のこと放っておいて私らと遊ぶか?」
『えっ、真希ちゃんたち遊んでくれるの!?』
「おかか!!!」
いやいやと首を振りながらぎゅっと私の腕に抱きついた。
え〜っ、棘くん寂しいんだ!かわいい!
「じゃあさっさと悟の所にでも行ってこい。
それから遊ぶぞ」
『わ〜い!棘くん待ってるね!』
「しゃけ!」
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帰ってきた棘くんなんかボロってして見えた…
何があったの…?
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作者名:らび | 作成日時:2022年1月30日 1時