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学校が終わって高専に来たはいいけど、どうも体調が悪くて医務室のドアを叩いた。
私の調子が悪い時は、大体硝子ちゃんが診てくれる。
『うぅ…頭いたぁい…』
「完全に風邪だな。ご飯食べて服薬して寝ればすぐ治るよ」
五条に連絡は?と聞く硝子ちゃんに首を横に振って答える。
返事する元気もなくなってきちゃった…
「そうか。じゃあ私から連絡を入れておくよ。
迎えに来るまでここで寝ておきな」
『ん…』
医務室のベッド久しぶりだなぁ。
薬品の独特な匂いが充満してて、非日常な感じがする。
まぁ私たち呪術師はお世話になることも多いんだけど。
「ちわーっす…Aいる?」
「りんご剥いてきたんだが食えそうか?」
「すじこ?」
『わ〜…3人ともありがとう〜』
目をつぶってお兄ちゃんの迎え待ち中、どこから聞いたのか悠仁くん、恵くんと棘くんがお見舞いに来てくれた。
他の人たちはみんなお仕事に行ってるらしい。常々思うんだけど、呪術界の人手不足って深刻だなぁ…
「五条先生はもうすぐ来れるって!
ほい、りんご。A自分で食える?」
『うん。ありが』
「わ〜っ!Aだいじょうぶ?!?しんどくない?
帰れる?抱っこする?それともおんぶ?!!?」
「おい五条、うるさい」
「おかか…」
お礼言おうと思ったのに、勢いよくドアを開けたお兄ちゃんに被せられてしまった。
お兄ちゃんの慌てっぷりったらもう凄まじくて、ぐわ〜っと捲し立てられて何が何だかわかんない。というか頭いたい。
「も〜Aってば風邪ひくのなんていつぶり?
あ、それりんご?悠仁たちが切ったやつ?はい、あーん」
『…ん、おいしい』
「あー!五条先生ばっかりずりぃ!俺もやりたい!」
「しゃけ!」
「だめ〜っ。これはお兄ちゃんの特権なんです〜!
ほら、じゃあ帰るよ〜」
ひょいっと抱き上げられて高専を出た。お兄ちゃんが来てから嵐みたいだったな…
後ろから悠仁くんたちのお大事に〜って声が聞こえる。
お兄ちゃん、あったかいな…
「…ん、眠いの?いいよ、このまま運んであげるし
しっかり寝な。おやすみ」
そのまま夜までぐっすり寝た。
お兄ちゃん特製のお粥も美味しかったです。
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『Aちゃんふっか〜つ!』
「お〜!よかった〜!!」
翌日にはちゃんと治ったよ!
さすが硝子ちゃんのお薬!!効き目がすごくいい!
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作者名:らび | 作成日時:2022年1月30日 1時