◇電脳少年の受難◆*２* (ページ10)

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STAGE７ー３【大野】ページ10

車に4人の男が乗り込む

行き先はとくに決まってないが
情報集めを目的に走らせる

松｢昨日ニノなにがあったの？｣

大｢俺にもよくわかんない。｣

昨日の夜、
ニノをおんぶして
部屋まではこんだ

相変わらず
軽すぎる体に少し不安になった

五つの単語を記したメモ帳は
ニノの机に置いておいた

あれが何を指しているのか
さっぱりわからなかったが

ニノなりになにか
策はあるのだろう

それが吉とでるか凶とでるか

正直、
今の状況では
犯人は捕まえられない

相｢ねぇ！
あの人体から糸がでてるよっ！｣

櫻｢え、どこっ！？｣

松｢翔さん、降りよう！｣

車を一時止め、
急いで駆け寄る

男性の背中から
白い糸が何本もでている

俺達はその糸を
引き抜こうとするが、

括りつけられたかのように
全く抜けなかった

大｢翔くん、俺達は糸を辿ろう！｣

2人に別れて、
俺と翔くんは繋がれた糸をたどる

その糸は
どこかの大きな駐車場まで続く

すると、いきなり
俺達の前に糸が襲いかかる

咄嗟に避けたが、
その糸は俺達を追いかけてくる

櫻｢しまったっ！...｣

大｢翔くん！｣

糸は翔くんの足に絡みつき
そのまま引きずり倒す

翔くんを追うようにして
走って助けに向かうと

後ろから男の子声がした

｢なんで、邪魔するの。｣

正体を現した犯人は、
学生と思われる青年だった

右手の指全てから
白い糸がでているのが見えると

たしかに
この子が犯人だと確信する

大｢どうしてこんなことするの｣

｢皆、僕のことを馬鹿にするからだっ！｣

怒鳴る男の子の目は、
初めてニノと出会った時のように
切なくて悲しい瞳をしていた

あぁ、
この子も寂しいんだ。

だけど、
罪のない人を殺めたことは
けして許されることではない

俺は、
右手に力を込め

青色にひかる
大きくて重い俺の武器

しっかりと握りしめ俺は息を殺した