◇電脳少年の受難◆*２* (ページ43)

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STAGE１０ー２【櫻井】ページ43

心苦しいが
松潤と相葉くんを置いていき先を急ぐ

階が上がるたびに敵の数が多くなる

上に行くほど
警備は厳重で相手の強さはさっきより強い

少し苦戦するが
キャリアを積んできた
俺や智くんが負けることはなかった

もう何時間も剣を握りしめている手は
痛々しくマメができ始めていた

疲れてきても
ここで倒れる訳にはいかない

そう考えている時、
智くんはニノに言い放つ

大｢ニノ！お前だけでも先にいけ！｣

ニ｢そんなことできません！｣

確かに、
今はさっきのように俺達が残った方がいいと思う

けど、
俺と同じで置いていくなんてことはできなかった

でも
今この立場だからこそわかる

ニノのためなら戦えるし
そこで死んでも悔いはないと。

櫻｢後から必ず追いかけるから、心配せずに行って！｣

ニ｢嫌だよ、そんなの。｣

大｢ニノ！！｣

落ち込み泣きそうなニノに、
智くんは大声でニノに叫ぶ

ニノはその大きな声に肩をびくつかせた

大｢もう
同じ思いをしたくないなら先にいけ！

でも、絶対生きて帰ってこい！
俺達はお前の帰りを待ってるから｣

やっぱり智くんはかっこいいよ。

ニノもその言葉に心が揺れて、
こっちを振り返ったニノは
泣きそうだった顔はそこにはなかった

俺たちに背を向け走り出す

小さくなる背中をみつめ、
手強いこいつらを相手していく

智くんと背中合わせになり武器を構えると
2人で不敵な笑みを浮かべる

大｢なんか、こういうの久しぶり｣

櫻｢見習いのころは毎日ペア組んでたからね｣

大｢強くなったな。｣

櫻｢でも、智くんには敵わないよ笑｣

大｢今の翔くんになら背中を任せられるよ｣

櫻｢あんまり信頼しすぎると痛い目みるよ｣

大｢大丈夫。翔くんは強いから｣

見習い研修生だったころ、
いつもペアを組み特訓していた

正面を向いて剣をぶつけあってた頃とは違う。

いつも勝てなかった俺は、
悔しさよりその綺麗な戦い方にいつも尊敬していた

これからも勝てることはないだろう

それでも、
智くんの背中を守ることはできるようになった

智くんの言葉が心に染みる。

櫻｢なら、守ってみせるよ。その背中｣

大｢おう。｣

水と炎

俺達は対になるけど、心はいつも一つだ。

剣に力を込め
2人で同時に力を放つ。

赤と青が解き放たれたのを合図に
俺達は昔のように戦った。