◇電脳少年の受難◆*２* (ページ41)

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STAGE９ー６【大野】ページ41

初めてこの屋上にきたのはいつだったか。

ニノに連れていかれて、
わけも分からずメモ帳に単語を書いたあの日。

あの日からニノは
よくここで検索してるのを俺は知ってる

だから、
研究所の場所を知らないニノが
今どこで何をしているのかもわかった

ニノはあの家を出ていく時どう感じた？

でも、
ニノがどう思ってようが
俺は何度だって見つけてやる

たとえ、暗闇の中だとしても。

ニ｢連れ戻しに来たんですか…?｣

俯きながら、
少し低いトーンで言うニノ

冷たい風が頬撫でると、
その冷たさに肌が反応する

大｢俺は止めようと思わない。｣

この言葉にニノは目を見開く。

大｢でも、離れるなんて許さない。｣

今度は息を呑むのが見えた。

大｢だから一緒に行こう。俺達と｣

右手を差し出し
掴んでくれるのをまつ

ニノは考える素振りをすると、
恐る恐る左手を前に出し俺の手を握る

手と手が触れた瞬間、

あまりにも冷たいニノの手は
俺の体温に溶けていく

このままお前の心も俺に溶けてしまったら…

そんなことを考えるのはまたいつかにしよう。