◇電脳少年の受難◆*２* (ページ34)

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STAGE０ー７ページ34

それから3日後。

今日は何故か初めて休みを貰った

今日は実験をしないはずなのに
どこか研究所は騒がしい

そんなことに
どこか胸騒ぎがして苦しい

斗真も忙しいのか今日は会っていない

すると
白衣の集団が見えた

僕はそこだけを見つめる

見つけてしまった。

集団に囲まれた1人の青年を。

二｢斗真っ！！！！！｣

ガラス張りの部屋は僕の声で震える

手が痛むのも無視して
ドンドンとガラスを叩く

音に気づいた斗真は
こっちを向いたが、

その表情は泣きそうだった

斗真が周りの科学者になにか言うと、
こっちに向かってくる

いつもの白衣は着てなくて、
代わりに病衣を着ていた

明らかににおかしい状況に
僕は戸惑うことしかできなかった

生｢ごめん。...
ずっと一緒って言ったのに、

もう本当に会えないかもしれない。｣

二｢なんで...。どういうこと。｣

生｢今から俺もニノみたいに改造されるんだ...
成功する確率はもちろん低い。｣

二｢なんで斗真が改造されなきゃいけないの！！｣

生｢ニノだけだと時間が足りないし、
大変だからって。

少しでも研究を進めるために
新人の俺を使いたいって言ったんだ｣

二｢なんだよそれ...。おかしいよ！！｣

生｢ニノ。最後に聞いてほしい。｣

あの時と同じように真剣な顔で
だけど、目は潤みながら

斗真は僕の目をみる

手を合わせるように
手のひらをガラスにくっつけて
僕の手に重ねた

息が止まりそうだった。

生｢初めて会った時
心がないかと思ってたけど

本当は寂しがり屋で頭が切れて、
誰よりも優しくて...

一緒にいれてよかった。

だから、
ニノだけは...心を無くさないで。

それと、
一つだけお願いしてもいいかな？...｣

斗真は僕に願いを託した。

間もなくして、
斗真は連れていかれる

離れた手が切なくて、僕は何度も叫んだ

だけど、
斗真は振り向くことなく扉の奥に消えた

悔しくて

悲しくて

怒りが押し寄せてくる

それをぶつけるかのように
拳をガラスに叩きつけた

夜になっても斗真は帰ってこなかった。

もし、神様というものがいるのなら

どうして斗真だったのですか。

そう言いたい。

また僕は

独りになってしまった。