◇電脳少年の受難◆*２* (ページ11)

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STAGE７ー４【二宮】ページ11

目が覚めると、
外はすでに明るく

眩しさに目を細めた

まだ少し痛む頭を振りながら
リビングに向かう

テーブルの上に
冷めてしまった朝食と
達筆な字で書かれた置き手紙があった

『ゆっくり休んでね!夕方までには帰ります!!』

これは翔さんの字かな

てことは
昨日の僕のことも知ってるか

そういえば
昨日のメモ帳は大野さんが持ってるのかな

あれがないと困るんだけどなぁ

そんなことを考えながら
朝食にありついた

リビングでもすることがないので
お皿を洗い、部屋に戻る

部屋に入って
パソコンを開こうと思ったら

パソコンを置いている机の上に、
昨日のメモがあった

パソコンはやめて、
メモを手に持つと目を瞑る

再び目を開ければ
そこにはさっきとは違う殺風景な場所

僕は
メモに書かれた単語を確認しながら
丁寧に言葉を吐く

まず
“高校生”

次に
“不登校”

そして
“転入”

最後に、
“アイト”

恐らくアイトとは犯人の名前だろう

これのおかげで
犯人の手がかりが絞られる

僕がしていること

それは、
その人の情報にアクセスすること

特定された人物やもの、
そういったものの情報を得ることができる

たとえば、
これからしようとしてることとか。

相手の気持ちもわかるのだ
その人の過去、現在。
どんな物語を歩んできたのか

すべてが保存された倉庫に僕は手を伸ばす