◇電脳少年の受難◆ (ページ29)

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STAGE４ー１【二宮】ページ29

新聞を読んでいる櫻井さん

洗い物をしている松本さん

ストレッチを始める相葉さん

テレビを見ている大野さん

その4人の目が
現在、僕に向けられている

なぜ
こんなに皆さんが
今していることを
説明できるのか

それは
ここにきてから
1歩もでなかったあの部屋に

今日、
僕は飛び出したからだ

昨日の夜、
寝る前に考えた

僕はこれからどうしたいのか

いくら考えても
これといった答えは
見つからなかったが

わかったこともあった

ここに来る前は

何をしても、
願いが叶っても、

満たされることのなかった
空っぽの心だったのに

今では

そんな心に幸福を感じ、
そのあたたかさを
もっと欲している自分がいる

多分僕は
これから何をするのではなく

ただ
一緒にいたいという気持ちで溢れていた

櫻井さんが来てくれた時は

普通にしてるさまに、
空気を読むのがうまく
僕の気持ちも察してくれると思った

そんな
優しくて頼れる人だと感じた

松本さんのときは
お母さんや兄貴ような
誰よりも気遣ってくれて

その上、
負けず嫌いで
弟みたいなかわいさがあり

真面目でピュアな人だと感じた

相葉さんは
たくさんお話してくれて
これでもかってほど喋るから

飽きることもなくて
その時間だけは
空気が明るかった

楽しそうな人だなって
思ったし、
楽しませることも
好きな人だと思う

元気で素直で謙虚な人と感じた

最後に
毎日僕と
過ごしてくれた大野さんは

一緒にいるだけで
居心地がよくて

距離感がちょうどよく
心から安心できた

どれだけいても
気持ちは楽だった

何かあった時、
心の支えになる人だと感じた

こんなに
人間味があり
愛に溢れた人たちに

付いていきたい

初めて感じたあたたかさは
僕の何かを変えてくれると思う

だから
この人たちにすべて話そう

嘘偽りのない

真実の僕を。