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残念ながら加藤くんとはエレベーターを降りたところでお別れ
「じゃあな」
加藤くんの背中を見送る
すこし頼りなさそうで
でも私よりもずっと大きい背中
デスクに着くと、
斜め前で頬杖をついてぼーっとしてる増田先輩
手には湯気がたってるコーヒー
意を決して
「おはようございます」
を言うと
小さく
「おはよ」
が聞こえてきた
いつもより小さいのは気のせいじゃない
「・・・元気ないんですか?」
金曜日のこともあったし、聞いてみた
この言い方は白々しいだろうか。
覚えてなかったりはしないだろうか
「・・・よぉく、伝わってないみたいなんだよね」
顔を上げた増田先輩。
ムッとしてる
「おれの、気持ち。すきだよって気持ち。」
覚えてたみたい
「本気なんだけどねー、Aちゃん、て鈍感がかって
るのかもね」
今度は顔を伏せた
「・・・伝わっては、います。でも、急すぎてわから
ないですよ」
「そっかぁ」
それっきり増田先輩は何も言わなかった
その時は、きっと私の気持ちが伝わったんだと思っていた
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作者名:しろくまアイス | 作成日時:2023年3月30日 18時