yellow tulip (ページ20)

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「一緒に帰ろー」

仕事中にちょっかいをかけて来た増田先輩を無視して、
お昼も加藤くんと鉢合わせないようにデスクで食べて、
帰る時間も増田先輩と加藤くんとは合わないように残業して、

考えなくて済むように必死に避けてたのに

寒い中、私のことを待ってるとか

「やめてください。」

「ん？」

「待ち伏せするの、やめてください」

「やめないよ？」

「風邪引いても知りませんけど」

「心配してくれてる？」

歩いたら自然な感じで着いてくるの、やめてほしい

「心配じゃないですよ、仕事にも支障あるし、増田先輩がいなかったら。」

「それだけ？」

「それだけ、です。」

「そっか。
でも、おれは、Aちゃんが風邪引いたら心配だな
心配だし、寂しい。」

「・・・」

「それはいいとして、
おれね、朝から決めてたの。帰りはAちゃんを
送るって。」

「なんでですか？」

「だって昨日は加藤と帰ったんでしょう？
嫌だから、そう言うの。だから今日はおれ、」

「意味わかんないです」

「じゃあ行こっか。ほら、手、繋ごう？」

「嫌ですよ。ってか、どこに？」

「Aちゃんの家！」

・・増田先輩って、私の家、知ってたっけ？