【歌い手】私と貴方の守りたいもの【浦島坂田船】

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「は！？私は帰りたいです！！下ろしてください！！！」

流石にこれには口を開けざるを得ない。
こんなん犯罪やん！

「やっと喋った。でも下ろしませーん。」

そう言って電話を始める彼。
どうしよう、父さんに連絡する？
でも金曜日までに帰れば心配はかけないし。
余計な心配させたくないしな。
明日の入港とか絶対大事でしょ。
父さんに連絡するのは悪手だな…

「あー、もしもし。今からお客さん連れてくから部屋作っといてや。」

お客さん…私のことだよね。
今から連れてく所の人と電話してるのか。

「いや、一番奥の所。え、まじか。ならそっちでええよ。おん、そおそお。」

なんだろう、監. 禁場所とか？

「分からんなあ、取り敢えず事が治るまでは危ないし、うちで匿うしかないやろ。」

事が治るまで…？
え、なに犯罪事？？
匿うって私？
でも、私犯罪事に巻き込まれたことなんて無いし、別の人の話か？

「え、志麻くんおらんの？坂田も？なんで？あー、そっかそんな時間か。」

志麻…坂田…
イケメンさんの仲間の名前だろうな。
前は、うらたさん。って名前も聞いた。

「まぁ取り敢えず今日はそこで過ごしてもろて。おん。」

今日は？
え、一晩返してもらえないんですか？？

「せやなー、明日が山やから。今回は警察が動いてくれるし出番なしや。残党狩りの仕事くらいやな。」

なんか物騒なこと言ってる。
めっちゃヤクザっぽい事言ってる。

「あー、せやな。服、制服やし替えあった方がええかも。あ、それええやん。せやせや、着てへんもんな。もうちょいで帰ってくるやろ？許可取って部屋置いといてやって。おん、多分ええっていうで。」

あ、そういえば制服だ。
替って…ヤクザにも私くらいの女の子がいるってこと？？
もうこんがらがってきた。

「ん、分かった。そう、裏から。今日？今日はずっと山崎がついてくれてるで。なんや、気になる言い方するやん。おん、は？まじで？戻ったら目通すわ。うん、あー、あと5分位かな。おん、ああ、ありがとう。頼むわ。じゃあ。」

電話を終えたイケメンさん。
じーっと話を聞いてた私にフフと笑うイケメンさん。

「探偵さんはなんや分かりましたか？」
「…取り敢えず私は暫く家に帰れないみたいですね。」
「ちゃんと探偵してるやん。正解。まぁでも多分その方がAちゃんにもええと思うで。」

その方がいい、ってそんな訳！
これから監. 禁されるんだろうな。
もっと美味しいもの食べておけばよかった。

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