「気に喰わなかった」 2 ページ11
雷「あぁ〜…」
『あぁ、勿体ない〜。どうせならお風呂入るまで結ったままにしておこうと思ってたのに〜…三郎があちこち引っ張るから〜』
鉢「悪かったって。ほら、直してやるよ!」
そう言うとAの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
『全然直す気無いじゃない!もう〜…先にお風呂行ってこよう…』
Aは床に落ちた紙紐を拾い上げ、着替えを取りに部屋へ入る。
雷蔵と三郎はその後ろ姿を見送り、自分達も部屋へと戻る。
雷「A、しょんぼりしちゃって可哀想に。後で謝った方がいいよ、わざと解いたんだろう?」
部屋に戻るなり床に寝転んだ三郎に呆れながら雷蔵は言う。
雷蔵の荷物から適当に抜き取った本をぱらぱらと流し見ながら「おー」と曖昧に返事をする三郎。
その本をひったくるように取り上げると上から再度謝るように言う。
鉢「なーんか、気に喰わなかったんだよなぁ」
雷「何が?」
鉢「女みたいじゃん、あの髪」
雷「?Aは女の子だよ?」
鉢「だー!そうだけど、そうじゃないっていうか…とにかく!何か気に喰わなかったの!」
もやもやした感情を理解出来ないまま、でも悪い事をしたと反省した三郎は風呂上がりですっきりしているAに謝った。
鉢「ごめん、女みたいだったから解いた」
『は?』
低く、Aが聞き返すと襟ぐりを力強く掴む。
『女"みたい"じゃなくて、女だし!理由になってない!』
そのまま背負い投げる。
完全に不意をつかれた三郎は危うく受身を取り損ねそうになったのだった。
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こまごまと。(プロフ) - 空桜さん» コメントありがとうございます!今後、この距離感をどうするか考えている最中ですがみなさんに楽しんでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年9月16日 12時) (レス) id: 63e1c18fa8 (このIDを非表示/違反報告)
こまごまと。(プロフ) - 珠華煉〜アカネ〜さん» コメント返し遅くなり、すみません……そしてありがとうございます!本当はもっと色んな学年を出したいのですが、そう言っていただけると嬉しいです。今後もどうかよろしくお願いします! (2019年9月16日 12時) (レス) id: 63e1c18fa8 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 5年生のこの絶妙な距離感がいいですね!ベタな展開すぎないとこが面白いです (2019年9月16日 2時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
珠華煉〜アカネ〜(プロフ) - 初めまして!コメント失礼します、5年生が可愛くて面白くて大好きです!笑 更新、頑張って下さい! (2019年6月28日 11時) (レス) id: a1a8b0df3d (このIDを非表示/違反報告)
こまごまと。(プロフ) - ばるけっと。さん» コメントありがとうございます!ベッタベタの恋愛系を書くのが苦手なのでシュールな中に「おや?」というレベルで忍ばせてます(笑)ぜひ今後もよろしくお願いします! (2019年1月18日 1時) (レス) id: 63e1c18fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こまごまと。 | 作成日時:2019年1月3日 22時