コルチカムの願い 【Sousukeside】 ページ4
少しづつ紅葉しつつある今日この頃。
｢もう、夏も終わりだね｣
｢そうだな、｣
｢…肩は大丈夫?｣
｢…いいや｣
何度目のその質問だ?
と思いつつも、実はそんなにきにしていない。
きっと彼女なりに気を使っているのだと思う
｢…あ｣
｢どうした?A｣
｢いや、綺麗だなぁって｣
｢綺麗だな｣
視界いっぱいに広がる綺麗なピンクの花。
そういえばAの家は花屋だったな。
｢ねえ、宗介しってる?｣
｢しらねぇ｣
｢じゃあ教えて進ぜよう｣
｢それ使い方間違ってるだろ｣
｢いーの!!…あのねこの花コルチカムって言うんだよ!｣
｢コルチカム?｣
また、知らない花だ。
本当にすごいなぁと感心する。
｢うん!｣
｢綺麗な花弁でしょ?でもね、毒があるんだ｣
｢へぇ、そうなのか、綺麗な花には刺があるみたいなこと、言うもんな｣
｢そーそー!あとね、たしかに花言葉は…｣
何かを言いかけた彼女は少しぎこちなく
｢…私の最良の日々は過ぎ去った。過ぎ去った夏を惜しむことからつけられた花言葉だよ｣
そう、花言葉を教えてくれた。
まるで、
｢…まるで、俺みたいだな｣
自分のようだった
｢別にいいよ。俺は、あの日泳げて最高だった。…それだけで満足だ。｣
本当は水泳をしたい。
名残惜しくてたまらない。
けれど、今は
｢今はお前がいる。｣
こいつがいる。
｢っ!!そんな言葉…どこで知ったの…｣
それでいい、今が楽しい。
どう願ったってすぐに治るもんではない
そんなことわかってる
なら
｢おまっ、ばかにすんな｣
悩むくらいなら
｢してない!!｣
今をもっと大切にしたい。
耳まで顔を赤くさせた彼女は帰路で少しこちらを向いて、
｢早く肩治るといいね!!!｣
と、吐き捨てて帰ってしまった。
ああ、いいもんだなぁ。
ずっと、 【Sousukeside】→←コルチカムの願い 【You'reside】
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作者名：ふぐあーと | 作成日時：2018年7月20日 17時
