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#32。 ページ32
紫耀｢こっから渋滞だ。｣
なかなか進まない車。
空港まであと5分くらいだというのに。
｢走る。｣
シートベルトを外して、
車のドアを開ければ、
冷たい風が入り込む。
紫耀｢気をつけて｣
｢ありがとう｣
私はまた全力で走る。
行かないで。廉。
何回も何回も呼びかける。
｢あぁもうｯ!遅いっ。｣
自分の足にこれ程イラついたことは無い。
私ってこんなに足遅かったっけ。
廉との楽しい思い出。
屋上で2人で寝っ転がったこと。
たこ焼き一緒にしたこと。
図書室で一緒に勉強したこと。
誕生日プレゼントをもらったこと。
私の頭は廉の色でたくさん
彩られていた。
涙でぐしょぐしょになった私は
息を切らしながら空港の中に入った。
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作者名：ひよん | 作成日時：2018年11月1日 16時
