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#30。 ページ30

──────────ドスッ


走りすぎて、前をみていなかった。


「あ、ごめんなさ...」


途切れた言葉は


ぶつかったのは廉だったから。


廉「前みろし。」


「れ..ん...」


かすれた声。

息はまだあがっていて。

少し喋りにくい。



廉「これ。あげる。」


コンビニの袋からフルーツの缶を

取り出して、投げてくる廉。


「これ、好き...」


廉が『好き』ってことも

ちゃんと言わないと。



「れ...」


廉「じゃあ。」

廉「幸せになれよ?」


片手だけ上げて手を振った廉。



なんで。




もう会えないみたいに。






片手に持ったフルーツの缶詰めは

冷たくって。





冷たい缶詰め。


冷たい風。




『お別れ』


みたいに言わないで。






廉は廉の匂いだけ残して


帰っていった。

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設定タグ:シンデレラ , 永瀬廉 , King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ひよん | 作成日時:2018年11月1日 16時

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