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#27。 ページ27
廉｢好き...です。｣
時間が止まったような気がして。
｢私も...｣
その言葉は遮られた。
紫耀｢A？｣
今会いたくない人ベスト3に
入るほど会いたくない人。
｢紫耀...｣
廉｢知り合い？｣
そして
次の言葉は絶対に言って欲しくない事。
紫耀｢あ、はじめまして。
Aの婚約者の平野紫耀です。｣
廉の顔はどんどんこわばっていった。
やっと口を開いた廉は。
廉｢婚約者いたんや。
ごめんな。なんか。｣
廉｢んじゃ。お疲れ。｣
やめて。やめて。やめて。
行かないで。廉。
そう心の中で言っても
もちろん廉は止まらない。
足早に去っていく。
何かが崩れ落ちてゆく。
積み上げたものは低かったはずなのに。
ショックが大きい。
トランプのタワーみたいに
バラバラと。
廉の背中を見ながら
ただ立ちつくしていた。
追いかけることだって
できたはずなのに。
しゃがみ込んだ私は、
｢好き。廉。｣
そう呟いていた。
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作者名：ひよん | 作成日時：2018年11月1日 16時
