隣のシンデレラ。 (ページ2)

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#2。ページ2

｢いってきまーす。｣

って言っても、
もちろんひとり暮らしなわけで

返事は返ってこない。

古いアパートのドアは

嫌な音をたてて、開く。

・

｢はぁ...｣

思わずため息をつく。

廉｢また、ため息ついとる。｣

なぜかいつも私の家の前で
待っている廉。

｢はあ...｣

廉｢なんで俺の顔みて、
ため息つくねん。｣

｢いや。なんとなく...｣

・

無駄にイケメンなくせに、

性格はイケメンじゃないこの人は、

私の隣に住む永瀬廉。

・

廉のお母さんには
すっごいお世話になってる。

ご飯作ってくれたり。

掃除してくれたり。

そんなこと考えてたら、

・

──────────ﾎﾞﾌｯ

学校指定のカバンで頭を叩かれる。

｢いたっ｣

廉｢はよいくぞ。｣

｢はあ!?女の子に暴力とか
ありえないんだけどっ！｣

私に背中を向けていた廉は
くるっと向きを変えて、

私の頭に片手を置いて、

廉｢Aって女の子か。｣

ぽんぽんと私の頭を軽く叩く。

｢女の子だし！
そもそも、廉と一緒に学校行く約束なんか
してないし！｣

ボサボサになった髪の毛を直しながら
廉のあとを追う。

廉｢そうやったっけ。｣

・

この嫌いな世界は

少しだけマシになってきたけど。

もう少しで

この作り上げた日常が

変わってしまう日は

もうすぐそこまで

きていたんだ。