とこしえに君を想ふ〈其の壱〉【鬼滅の刃】【竈門炭治郎】 (ページ41)

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珠世と愈史郎ページ41

中に入ると女の人…鬼の色をした、女の人が人間の女の人を看病していた。

(鬼が、人を看病？！)

｢あっ、大丈夫でしたか？お任せしてしまいすみません…｣

(やっぱり知り合い…そうだと思ったけど…)

「私、八劔Aです。初めましてですね」

｢初めまして。私は珠世と申します。この子は愈史郎。仲良くしてやってくださいね｣

(あー、禰豆子ちゃん貶したこと謝らない限り無理かな？！努力はしますけども！)

珠世が続けた。

｢Aさん、炭治郎さんには話しましたが…私たちは鬼です。そして医者でもあります。鬼舞辻を抹殺したいと思っている｣

「……」

(炭治郎も信じてるし、嘘の色はない…)

「この方は大丈夫ですよ。ご主人は、気の毒ですが拘束して地下牢へ」

「！！」

よく見たら横になっているのはさっきの奥さんだった。

どういう関係なのかな？

Aがよくわからないという顔をしたのを見て炭治郎が言った。

「A、この人たちは俺が警官に捕まるところを助けてくれたんだ」

あっ！

(なるほど、状況が理解できた！……あれ…？)

この人たち、人の傷の手当てなんかして＿＿＿

「人の怪我の手当てをして辛くないですか？」

(私の思ったことまんまで言ったね！！炭治郎！！)

ドンッ

愈史郎が炭治郎の腹に一発を食らわせた。

「鬼の俺たちが血肉の匂いに涎を垂らして耐えながら人間の治療をしているとでも？」

愈史郎が炭治郎を睨んだ。

「よしなさい。なぜ暴力を振るうの」

珠世が正論を言う。

「辛くはないのですよ。普通の鬼よりかなり楽かと思います。私は、私の体を随分いじっていますから鬼舞辻の呪いも外しています」

(体を…弄った？呪い？)

「体を弄ったって…？」

Aは尋ねた。

「人を喰らうことなく暮らしていけるようにしました。人の血を少量飲むだけで事足りる」

「人の血を…それって…」

「不快に思われるかもしれませんが、金銭に余裕のない方から輸血と称して血を買っています。もちろん彼らの体に支障が出ない量です」

鬼特有の、あの濁った、黒い、嫌な色が見えないのはそのせいだ。

(少量の血で…禰豆子ちゃんも、それなら？)

「愈史郎はもっと少量の血で足ります。この子は私が鬼にしました」

…え？