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信じて ページ16

炭治郎は目を覚まし、Aはもう起きていることに気づいた。炭治郎は目を擦った。



…今日は、最終選別の日。



「すぅぅぅぅぅ…はぁぁぁぁぁ…」



炭治郎は深呼吸をした。



ついに、この日が来た。



(生きてここに戻るんだ。Aと、必ず…!)



「おはよう、炭治郎。よく眠れた?」



炭治郎が部屋を出るとAがにっこりと笑ってそう言った。料理を…してるのかな?



「おはよう。うん、よく寝た」



「…禰豆子ちゃん、まだ起きない?」



聞きにくそうにAが尋ねた。



「うん…」



Aが心配そうな顔をした。



「辛くない?」



Aの綺麗な目は炭治郎から目を離さなかった。



Aの透明な青い目に、心の奥底まで見透かされているような気さえしてくる。



「…辛い…怖い。気がついたらコトンと死んでしまうんじゃないかって、いつも思うんだ…」



(…このこと、喋ったのはAが初めてだな…Aは、話しやすいから…)



「…おにぎり、あげようか」



「えっ?」



いきなりそう言われてびっくりしてしまった。



「元気が出るよって、炭治郎、初めて会った時そう言っておにぎりをくれた!焼き加減が大事なんだよね。気をつけたよ!本当に、あのおにぎり食べた時ねぇ、元気が出たよ、私」



「……」



「それにね、禰豆子ちゃんは大丈夫だよ。禰豆子ちゃんは、炭治郎を一人になんて絶対にさせないから!信じよう?…ね?大丈夫、大丈夫…」



ぎゅっとAは両手で炭治郎の両手を握って、祈るように目を閉じた。




炭治郎はその手が暖かくて、優しくて、思わず微笑んでしまった。



…また、助けて貰ってしまった。



「…ありがとう。…俺も禰豆子を信じたい」



炭治郎がそう言うとAは満足したようににっこりと微笑んだ。



___その笑顔は、誰よりも美しくて、綺麗だった。




また、胸が鳴るのがわかった。

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火華(プロフ) - コメントありがとうございますっ!! (2020年8月8日 17時) (レス) id: fd2412c62f (このIDを非表示/違反報告)
y(プロフ) - 面白いのでこれからも頑張ってください (2020年5月30日 10時) (レス) id: d5bc66432d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:火華 x他2人 | 作成日時:2020年5月30日 1時

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