とこしえに君を想ふ〈其の壱〉【鬼滅の刃】【竈門炭治郎】 (ページ15)

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狐のお面ページ15

｢鱗滝さん！それ…｣

錆兎と真菰の持っていた狐の面とそっくりだ。一つには太陽の形が、一つには水の渦の形が彫られている。

｢これは厄除の面だ。悪いことから守ってくれる｣

鱗滝は太陽の方を炭治郎に、渦の方をAに渡した。

｢ありがとうございます｣

｢ありがとうございます。鱗滝さんが作ってくれたんですか？｣

炭治郎が尋ねた。

｢そうだ。子どもたちには選別へ行く時必ず渡している…それと、炭治郎｣

思い出したように鱗滝が言った。

｢？はい、なんですか？｣

｢禰豆子だが…、選別へは連れて行くな。儂が預かる｣

｢……。はい｣

(…えっ…ええええええ！！禰豆子ちゃん来ないの？！いや禰豆子様を危険に晒すのはありえないし…そりゃそう…なのかな？)

Aが心の中で嘆き、炭治郎は少し眉を下げた。

(…って…あぁ、そっか。炭治郎、そう思ってるのかも…)

｢炭治郎｣

｢？｣

｢大丈夫だよ。禰豆子ちゃんとまた会えるから。これで会えるのが最後とか、思わないこと！｣

炭治郎は不意に突かれたような顔をした。そして吹っ切れたように笑った。

｢……そうだな！必ず、生きてここへ戻ってこないと！……よし！ありがとう、A！そんなに悲観的になっちゃいけないよな、不甲斐ない…｣

炭治郎はペチンペチンと両手で頬を叩いた。

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選別当日、Aはいつもより早く目が覚めた。

｢うーん…｣

Aは伸びをすると、昨日渡された水色の着物を着た。

｢…選別用の食事を作ろうかな｣

そう言って料理を作ろうとするも……

｢…何作ろうかなぁ｣

(持って行けるもの…うーん、何かあるかな？)

｢あっ！おにぎり！！｣

我ながら良い考えだ思った。

(…あれ？…どうやっておにぎりって美味しく作れるんだっけ？どこかで聞いた気がする…)

Aが少し考えると、一つの言葉が頭の中を稲妻のように突き抜けた。

＿＿＿料理は焼き加減が大切なんだ！＿＿＿

…あ。あの日、あの時。初めて炭治郎と出会った日に、炭治郎がそう言ってたんだ…

あの時のおにぎり、本当に美味しかったなぁ…

あの日、炭治郎に会っていなかったら＿＿＿…

｢……。焼き加減、気をつけて作ろう｣

Aは米を炊く準備を始めた。