【A3!】ペテンを纏った4月

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「この間のパーティーのあとも、お酒が入ってるはずなのにまだまだ堅かったからあまりどういう子か分からなかったけど、

今日、色んな顔が見れたのは思わぬ収穫だったな」



『そうですか。卯木さんが楽しそうで何よりです。私も卯木さんの裏の顔を知れてよかったですよ。こんな方だとは想像していなかったのでびっくりですけどっ。』







最初は頼れる先輩だと思ってたのに、
こんなにからかい上手だなんて。






　
　
　

　
　
　






「…裏の顔……？本当に？」







『………………っ』




　
　
　
　
　
　







ごくりっ。

思わず息をのんでしまうほどきれいな顔が

自分と触れ合ってしまうくらいの距離にあるのに、

その表情が物語るものは、はるか遠くにあるようで。



時間が止まってしまったかのように捉えて離さないその瞳からは

抱えきれないほどの悲しみと、切なさと…………







私にはわからない何かが溢れていた。

　
　
　

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