43日後にはがんばれる ページ3
ガタンと、椅子を引く音が鳴った
「天？帰るの？」
立ち上がった天くんを見上げて百さんが問いかけると、
小さく頷いた
「このあと、予定があるので、失礼します」
ぺこりと頭を下げて、私に視線を向けると、悲しそうな顔のまま、去っていった
鳴り止まない心臓が肺まで息を送ってくれない
なんで____
「A？」
肩を揺らす色白の手
行方を辿ると、その手は千さんのもので、大変不思議そうな顔で私を見つめていた
どうやら天くんがいなくなったあとから呆けていてしまったらしい
『あ、ご、ごめんなさい、なんでしょうか』
「んーん、Aが元気ならそれでいいよ」
小さく笑ってカップを掴み取ると、口に運んでいく千さんを見つめる
その視線に気がついたようにまたこちらを見た
「ん……なに、僕の顔、何か付いてる？」
口角を上げる千さんに、全力で頭を振る
『ち、違います、ただ、千さん、ちょっと変わったのかな……って……』
「そうかな？どう思う？モ………」
二人で百さんの方へと顔を向けると
ぷく〜っと頬を膨らませた百さんが
『え……？』
「む〜、Aってば、ユキにばっか構ってぇ〜！
ユキもユキだよ！Aばっかずるい！」
椅子から立ち上がって私にしがみついてくる百さんの頭を撫でる
「もぉ〜！」
「ごめんごめん」
そういえば、この二人はテレビでもこんな感じだったな……
一年くらい会ってなかったから、あんまり意識してなかったけど……
『お二人って、お互いが……その……【お皿】みたいな存在ですよね』
「「………………………は？」」
その一言に、あんぐりと、口を開ける二人に、慌てて弁解しようと試みる
『お、お料理って、お皿が無いと、綺麗に盛り付けられなかったり、落っこちちゃったりするじゃないですか』
うんうんと頷いた二人を確認して、口を開く、
『けれど逆にいえば、それがあれば、盛り付けられる側は、何倍にでも輝けるってことなんじゃないかなって……』
「_A_」
二人が、私の手を取る
「天と、何かあったんだよね……？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめみく - りく、、いおり、、お前ら可愛いかよ！！ (10月3日 10時) (
レス) @page33 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - お疲れ様です！ 感動した。 この作品と出会えて良かった♪ (2019年8月3日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
Ｄream(プロフ) - 愛乃さん» ありがとうございます、今までの自分のこの作品へ込めた気持ち、思いが、皆様に伝わっていただけたのであれば、本当に喜ばしいことです。そんなふうに言って下さり、本当にありがとうございます！これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (2019年7月7日 23時) (レス) id: 26a17f6a03 (このIDを非表示/違反報告)
愛乃(プロフ) - 完走お疲れ様でしたっ、ハラハラドキドキして…安定した読後感に物凄く安心して最後まで読むことができました…この作品大好きです！！ (2019年7月7日 22時) (レス) id: c13e9f2ebf (このIDを非表示/違反報告)
Ｄream(プロフ) - エレノアさん» 有り難うございます、あと天オチです！大丈夫です！クライマックスまで全力疾走しますので、天や他のみんなのことを暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。 (2019年3月26日 22時) (レス) id: 26a17f6a03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ｄream | 作成日時：2019年2月25日 16時
