涙が流れない理由【ルルス】 (ページ7)

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六話ページ7

『あの人、トロすぎ！一生手伝ってやりたく無い』

廊下を走りながら呟く

食器を戻しに行っただけなのに何故あれから六時間も経っているんだ

しかも相手の人は行動がかなり遅く、

ほぼ動いていたのは私だ

ルルスのラボの扉が見えて

力任せに扉を開く

『ルルスっ！！ごめん、ちょっと………っ！？』

バタン

と後ろの扉が閉まる音と同時に背中に伝わる冷たい感触

『ルルス……？』

ル「何処へ行っていた」

『え………あ、声かけられて、研究の為に手伝ってほしいことがあるからって言われて

手伝ってたら、こんな時間に………』

すると私の手首を掴んでいたルルスの手に力が籠もる

『ぃっ………！』

ル「………っ！！」

なにかに苛立つように顔を俯かせて私を見ようとしない

『ルルス、ごめんなさい、早く帰ってこれなかったのは、反省してます……』

ル「お前は……………俺よりどうでもいい男の用事を優先するのか」

っ……、！？

『ほ、ホントは少しで終わるはずだったのに、あの人がトロイから時間かかっちゃって……！

だから……！』

ル「……………

もういい、出ていけ」

………！！

ああ、やってしまった

『ル、ル、………』

名前を呼ぼうとしたとき、少し振り向いたルルスの双眼がこちらをギロリと見つめていた

それに震え上がった私はヘタリ込みかけた体を保ち

廊下へと飛び出した