言ってないこと ページ21
『まだ、ルルスだけ言ってない』
離された唇はまだミリメートルの距離しか離れていない
それに恥じらいつつも顔を少し下に向けてルルスの服を掴み、言った
ル「何をだ」
さっきさりげなーく逸したくせに
『私はちゃんと【好き】って言ったのに、ルルスは同意しただけじゃない!
ちゃんのルルスの言葉で……
って、ぁ……』
今更になって、自分の過ちに気がつく
ルルスを覗き見すると目を見開いて此方を見ていた
『ご、ごめん、迷惑だったよね
なんか、面倒くさい女でごめんなさい……』
掴んでいた手をゆっくりと力を抜いて服から離していく
自分の感情すらも邪魔になってなにも考えたくない
最悪だ
またやってしまった
また迷惑だ
って
目障りだ
って、
言われちゃうかな
そう考え始めると肩が
身体が
カタカタと震え始める
ル「…A」
ルルスの声に何時も以上に変な__
というか恐怖に似たそれを感じて目を閉じる
そして後に発せられる言葉を今か今かと待ち望む
辛いことなら早くすぎろ
おねが____
「すきだ
お前が、
ずっと、ずっと」
想像してた言葉とは180度違った言葉
つまりは私の望んでいた言葉、
つばをごくりとのみこんで目を開けた瞬間に感じる唇の暖かみ
先程より強引な其れは
舌が絡まり
指を器用に絡められ
髪の毛を愉しむように弄る
口の端から漏れるのは私の声だけで
頭がどうにかしそうだ
だが
それ以上に好きな人とこんなことができるとは考えもしなかった私だから
全てを受け入れてしまっている
逆を云えばもっと
触れて欲しいとすら思ってる
また目尻から温かいものを感じた。
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作者名:Dream | 作成日時:2018年8月24日 17時