長男は気づいた。 ページ23
.
目の前で崩れ落ちた少女。
だんだんと色素が薄くなっていき、比喩なしに消えてしまいそうな彼女に、最悪の状況が頭をよぎる。
＿＿＿＿＿まさか、死んでしまうのでは？
1度よぎった状況は無いとは言いきれず、汗が背筋を伝う。
｢………おい！お前！｣
こちらに気づいた愈史郎さんが彼女を見つける。
｢……珠世さんを、珠世さんを呼んできてください！急に倒れてしまって………！｣
愈史郎さんは一瞬だけ顔を顰めるとほぼ見えなくなった彼女を抱えていった。
＿＿＿＿＿＿
｢………安心してください、眠っているだけですよ｣
地下室に移動すると、珠世さんはこう言った。
＿＿＿誰も寝ていない布団を見つめて。
｢…………あの、珠世さん｣
｢はい、何でしょうか｣
｢……………あの子は、どこにいるんです？何者なんです？｣
聞きたいことは山ほどある。
何者なのか、どうしてここが分かったのか、どうしていつも助けようとしてくれるのか、
＿＿＿本当に、あの時は”はじめまして”だったのか。
｢……ああ、成程。炭治郎さんには”見えていない”のですね。｣
珠世さんは納得したように頷くと、俺に向き直った。
｢彼女はここにいますよ。炭治郎さんには見えていないだけで。……愈史郎から聞いた話から考えると、恐らく彼女は”精霊”と呼ばれる存在だと思われます。｣
｢……………精霊、｣
繰り返すようにつぶやく。
珠世さんの話を纏めるとこうだ。
精霊は普段は姿が見えず、時折霊体として現れる時にだけ姿が見えること。
声も霊体時にしか聞こえないが、どうやら鬼にはいつでも聞こえているし見えているらしいということ。
｢何者か、ですが…………恐らく、炭治郎さんが背負っていた箱が彼女なのではないでしょうか？｣
……あの箱が？
｢じゃあ、それなら、禰豆子は、いつも聞こえてたのか？｣
｢むん！｣
＿＿＿長男は気づいた。
＿＿＿探していた
＿＿＿＿＿今度会ったら、お礼を言おう。
＿＿＿＿＿そして、色々聞きたいことがあるんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
病空ナユ(ワイルドくん大好き)(プロフ) - 更新頑張ってください！...エボット山は？ (2020年12月5日 14時) (
レス) id: dcfdc7bef4 (このIDを非表示/違反報告)
リア - 面白くて思わず夜中なのに一気読みしてしまいました...これからも更新頑張ってくださいね！ (2020年11月4日 23時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新頑張ってください！！！ (2020年9月15日 0時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
63:927393(プロフ) - 更新再開有難う御座います！！！！待ってました！全然ゆっくりでいいので！待ってます！(？)更新頑張ってください、大好きです！！ (2020年6月30日 19時) (レス) id: 31c0c007b1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 初めて読ませて頂いた時にどハマり致しました！これからも沢山たっくさん！応援致しますので！ご無理をなさらずに更新頑張ってください！心から応援しています！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：野菜炒め | 作成日時：2019年9月16日 22時
