音柱の継子 (ページ8)

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黄色の君ページ8

私の知り合いに一等耳のいい奴がいる。

彼曰く、育手の扱きに泣き喚く毎日だったある日、木の上に登りぎゃんぎゃん弱音を吐いていたところ雷が落ちて黒から黄色へと髪の色が変わってしまったらしい。

よくまあ無事でいたものだと感心した。

鬼殺隊隊士になってもその性格は変わることがなく単身任務を雀のチュン太郎から伝えられると

「いぃぃぃやぁぁああ"！1人は嫌だよぉぉおお！！！」

と私や炭治郎の羽織を握りしめ首を横に振るのだ。
勇ましく"分かった"の一言で終わったことは1度もない。

そんな弱気な彼だが護衛の相手が女の子だと気付くといつも下がっている眉毛をキリッとさせ

「大丈夫ですよ、お嬢さん。悪い鬼はこの俺、我妻善逸が退治してみせます」

と態度が変わること変わること。ちなみにその子はえぐえぐしてた善逸を見ていたのでドン引きしていたらしい(隠より)。

そんな、女の子に惚れっぽい(というより女の子に弱い)善逸はもちろん私にも求婚してきた。
那田蜘蛛山の入口で善逸達と合流した時、最終選別では自己紹介をする暇もなく終わってしまったため改めてよろしくと言うと

善「エッ君可愛いね？！！俺と結婚してくれない？！お先真っ暗な男の願いを聞いてくれよぉ……！！」

「何この子怖い嫌です」

先程まで蹲りこちらにまで聞こえてくるくらい泣き喚いていたのに、私の足元に縋り付いて懇願してくる善逸を見る炭治郎の目は今でも忘れられない。

炭「善逸……恥を知れよ…」

伊「情けねぇぜ！！！紋逸！！！！」

情けなく涙と鼻水を垂らしてびいびい泣くこの流れがいつも見る光景。