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目が覚めた時最初に目に入った禰豆子が"お姉ちゃんおはよー!"と毎朝起こしに来る妹の顔に見えた時、Aは胸が温まった。
頭が覚醒した時、鬼の女の子だと分かったがそこに憎悪は無かった。
「禰豆子が人間を守ってくれたなら、私も炭治郎と一緒に禰豆子を守るよ。まだまだ弱いけどね」
にへらと笑ったAに炭治郎は今までに無いほど胸が高鳴った。
禰豆子を人間に戻すまで、今はこの気持ちに蓋をしておきたいのに彼女を前にするとはち切れんばかりに想いが溢れてしまう。
炭(俺は長男だから……!我慢だ…!)
赤くなる顔を抑えようと頭を振る。
「うわ、冷た!ちょっと炭治郎、まだ髪濡れてるじゃん」
炭「えっ………うわ」
Aは抱いていた禰豆子を膝枕させるように横たわらせ、炭治郎の肩にかけてある手拭いを取りわさわさと頭を拭いた。
母親にしかされなかったことを同い年のしかも女の子で好きな相手にされているのに炭治郎は爆発した。
炭「ちょ、A!!やめ、やめてくれっ」
「そのままだと風邪ひくよ!じっとしてて!」
炭「いやほんとに!自分で出来るから…!」
お互いが長男であり長女である2人の小さな攻防戦は炭治郎が彼女の手首を掴むことで終わった。
瞬間、長男は想像以上に華奢なAに驚いていた。
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年10月14日 19時