面影からの求愛？ ページ29
Aが目を覚ました事で活力を取り戻した3人は彼女を守れるように強くなると張り切って訓練に参加した。(善逸と伊之助はサボりに全振りして説教)
一方、Aは目が覚めたとはいえ内蔵に損傷があるのでまだ暫くは安静にとの事だった。
やることが無ければと彼女は先日の戦いでの反省と課題を自分に課し、改善への糸口を探す。
しばらく頭を悩ませれば、やはり1番は己の心の弱さが敗因であった。
男一人担げるくらいの力をつけ罵詈雑言を浴びようともデコピンひとつで耐える精神を持ったつもりでいたが、結局は鬼との戦いで" 死 "を考えてしまう畏れは払拭できない。
「こんな情けない姿見たら、師範怒るだろうな〜…」
「ムー」ぽんぽん
夜、蝶屋敷の縁側で1人うなだれるAと慰めるように背中を叩く禰豆子。
あれ以来禰豆子はAにとても懐いた。禰豆子にとって人間は守る対象だが、それ以上の気持ちを持ったのだ。
「慰めてくれるの？禰豆子。ありがとう」
頭を撫でるAの姿がやはり自分の母に重なった。きっと彼女は自分が鬼であると言うことを気配で察知しているはず。
何も言わない彼女だが、心の奥底では鬼に対しての憎悪は果てしないはずだ。
禰「ムー…」
「っ？！どうしたの禰豆子！」
もう会えない母親の面影と自分が鬼である事に少しだけ寂しくなり、大きい瞳に薄い膜が張られ、ぽろぽろと涙が溢れ落ちる。
「な、泣かないで禰豆子〜！よしよし」
禰「む〜……っ！」
膝の上に抱き上げ幼子をあやす様にAは禰豆子を泣き止ませようとする。
「泣き止んでよ禰豆子…怖くないよ〜」
「？どうしたんだ、A」
「ぎゃっ！……炭治郎？！」
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作者名：アマネム | 作成日時：2023年10月14日 19時
