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病室には禰豆子を腕に抱き子守唄を歌うAがいた。
Aの柔らかな歌声に禰豆子はすやすやと眠っていた。
善「A、ちゃん?」
「あ、おはよう。善逸」
善「〜〜〜〜〜〜〜っ」
善逸は叫びたいのを我慢したまま伸ばされたAの手を握りしめ涙を流しながら
善「おはよう、じゃないよぉ〜…!俺がどれだけ待ってたと思ってるのさ〜…!」
「ごめんね。善逸も、生きててよかった」
善「はぅあ……っ」
伊之助は月明かりに照らされたAがあまりにも儚く見えて言葉を失った。
普段の自分なら大声を出してドシドシと彼女に詰め寄っていただろう。
消えてしまいそうな彼女から目が離せなかった。
伊「お、まえ……」
「伊之助!…ごめんね、助けるとか大層なこと言って、結局足引っ張ったね」
伊「…ふ、ふんっ!子分を身を呈して守るのも親分の役目だからな。気にしてねぇよ」
「優しいね、伊之助。ありがとう」
伊(ほわっ……)
またほわほわさせられた、なんなんだコイツは。
だけど…彼女が生きていて良かったと、心から安堵した。
禰豆子を腕に抱いているAが自分の母親と重なった。懐かしい匂いが炭治郎の鼻を掠めた。
─彼女は母さんに似ている
Aから感じたあの匂いは母と同じものだったと確信した。優しくあり可憐だがしかし強かである。一目見たときから彼女はそんな匂いがした。
炭「A」
「炭治郎…」
炭治郎はAの近くへ行き禰豆子共々抱き締め
炭「…おかえり」
「ただいま」
きっとその時から、俺は彼女に恋をしたんだ。その笑顔をずっと隣で見ていたいと思ってしまったんだから───。
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【大正コソコソ話】
炭治郎がAを抱き締めたとき善逸の顔は阿修羅像も逃げ出すくらいの顔だったらしいよ。
善(炭治郎テメェェェ!!!!!!!!!!許さんッ許さんぞォォォォオ!!!!!俺だって抱きしめたかったのにィィィイイ!!!!!!!この野郎ーーーーーー!!!!!!!!!!)
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年10月14日 19時