音柱の継子 (ページ17)

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────ふわりと微笑むその少女を前にして炭治郎は思い出した。

あれは手鬼を倒し、ただひたすら残りの鬼を狩っていた時に見た光景。

体力を消耗したのだろう、自分より体躯の大きい鬼を前に刀を構えた少年がガタガタと震えていた。

助けに行きたいが自分も先程の手鬼との戦いで体力を大幅に消耗していた。

しかし心優しい炭治郎は見て見ぬふりは出来ない人間。
震える足を鼓舞した時、ふわりと舞った雪の結晶

……いや、違う、あれは女の子？

「死にたくないなら剣を抜いて、貴方が生き残ることで助かる命があるんだから」

そうだ、あの時の。

炭「君は確か最終選別の時にいた」

「自己紹介が遅れたね。私は寒河江A。階級はみんなと同じ癸だよ。よろしく！」

会うのは二度目のはずなのに、その時感じた匂いはどこか懐かしいと炭治郎は思った。

そして黄色い頭の少年はさっきまで青くしていた顔を赤く染めていた。

猪頭の少年は"なんだコイツ弱そう"と思っていた。

─この山に潜む鬼に今までの鬼よりも無惨に近い"十二鬼月"がいることを、彼らはまだ知らない。

【大正コソコソ話】
Aは1度善逸と最終選別で会っているけど戦いに夢中で存在に気づいて居ない。なお、善逸は覚えている。
善(あの時の女の子にお礼いえなかったな…。もし次に会えたならきちんとお礼を言って結婚を申し込もう！)