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──「伊之助!」
裏庭には逆立ちになりながら日輪刀を足で扱っている伊之助がいた。
どこまでも野生児なんだな、こいつは。
伊「おう!A!よく来たな」
「伊之助は元気だね」
伊「当たり前だろ!俺は山の王なんだからな!ワハハ!!!」
同年代というより弟を見てる気分になり思わず頭を撫でてしまった。
怒るかなと思ったけど周りになにかほわほわしたものが舞っているので大丈夫だろう。
伊「あ!そうだA太郎」
「なに?」
伊「俺と剣術で勝負しようぜ!!」
「えー、やだ」
伊「何でだよ!!!お前柱になれるくらい強ぇんだろ?"ツグコ"って次に柱になれる奴って聞いたぞ!」
「そんな簡単なものじゃないよ。それに私弱いよ」
伊「嘘つくんじゃねぇ!いいから俺と勝負だァ!!」
伊之助の抜き身の日輪刀を自分の刀の鞘で受け止める。単純な動きが多いけど、力はほかの2人よりも強い。
伊「いい反応するじゃねェかッ!!」
そのまま連続で仕掛けてくる攻撃をいなし続けた。
伊達に音柱の継子をやっているわけではない。
元忍の扱き、舐めるんじゃないよ。
「伊之助」
伊「避けてばっかじゃ勝負になんねぇだろ!!!刀抜けよ!!!弱味噌が!!!」
「抜かない。今の伊之助じゃ私には勝てないよ」
伊「何っ?!!キィィィィイイ!!!!!ムカつくぜ!!オラァッ!!!」
ずっと同じ動きで嫌気がさしたのだろう呼吸を使って技を繰り出そうとしてきた。
山の中ならまだしもここは蝶屋敷。
屋敷に傷でもつけてみろ、鬼よりも怖いお姉さんに何をされるかわかったものじゃない。
「もう!伊之助の脳筋野郎!!!!」
伊「んだとォ!!!」
「音の呼吸 陸の型 旋律」
『旋律』──Aが生み出した技。辺りが静けさに包まれ、その間対象者は聞こえてくる音色により動きを封じられる。
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年10月14日 19時