東京都立呪術高等専門学校 ページ1
※生存ifの世界
ここは東京都立呪術専門高等学校。
私が通う学校である。
うちの家系は全員呪術師だった。
そして、御三家ほどでは無いけどそこそこの実力があった。
そんな訳で小さい頃から見えていた私は呪霊と鬼ごっこやかくれんぼをして遊んでいた。
いや昔の私強すぎワロタ。
そんな時森の中で今にも死んでしまいそうな一匹の狼と出会った(まあまあでかい私の家は住宅街から離れた場所にぽつんと建っていて裏に行けば森がある)。
実力のある家系に生まれると親や親戚はあーだこーだうるさいなんてよく聞くが、うちの親然り祖父母然り親戚もとても子煩悩で私が狼を抱えて家に帰った時
「おとーさん!わんちゃんしんじゃう!」
「A?!ああわんちゃんが大変だな…!母さん今すぐ獣医を…!!」
「ええそうね!Aちゃん、わんちゃんをここに寝かせてあげて?ママはお医者さんを呼んでくるから」
「うん!わんちゃん、がんばって!!」
それからおじいちゃんおばあちゃんも一緒になって一家総出で狼の治療に当たった。
───結論から言うと、その狼は特級呪霊の犬神でした。やばいね?
その夜、押し潰されそうな呪力を感じた両親がその子がいる部屋まで行くと天井までの大きさになった犬神がちょこんと座っていた。
父親が祓おうとした所、その子は頭を下げたのだという。これには父も母も口をあんぐり開けて固まったまま朝を迎えたらしい。
そしてその日の朝、私がその子の元へ行くと
「わあ!わんちゃん、おっきいね〜!」
"貴女が私を助けてくれたのか"
「もういたくない?だいじょうぶ?」
"ああ、ありがとう"
「ううん!どういたまして!」
意思疎通を図れる、敵意がない、そして私達家族を守ってくれる。
そんな子を祓うことは出来ないと判断した大人達は
「皆、聞いてくれ。─今日からこの子をAの式神とする。異論のある者は?」
「・・・満場一致だな」
「しきがみ?」
「いいかい、A。この子も私達家族の一員だ。そしてお前が最初のお友達」
「おともだち…!」
「だから、これからこの子と一緒に悪いお化けを退治するんだよ。いいね?」
「わたし、がんばるよ!」
主従関係という縛りなんて当時の私にはさっぱりだった。
だけど、そんなのは関係なしにその子は──
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年8月4日 0時