音柱の継子~3~ (ページ26)

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─甘露寺が宇隨にAを紹介してもらった時、笑顔のはずなのに違和感があった。

表面面の笑顔、貼り付けた笑み、人形のようだと甘露寺は思った。

まるで自分一人だけが店に取り残された、哀れな人形のように─

蜜「私ね、Aちゃんは幸せになっていいと思う」

「蜜璃さん…？」

蜜「Aちゃん……自分は幸せになっちゃいけないって思ってない？」

「そ、そんな事…」

ない、とは言いきれない。

一度、宇隨と大喧嘩をした事があった。

────私も、家族と一緒に、逝きたかった。

蜜「自分だけが生き残ってしまった。そんなふうに思ってたのよね？」

「……私の為に母親が身を呈して庇って、死んだ。私のせいだ、っ、私があの時、玄関を開けなかったらって、そしたら、みんな、まだわらいあえたのにな、って」

蜜「…………御家族の方は、Aちゃんに何か悪い事でも言ってた？」

「…っ！」

──姉ちゃん、泣かないで

──お姉ちゃん、笑って

──貴女を守れて、良かったわ

──Aだけでも、生きてくれ