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そもそも何故二人がAを「姉」と呼ぶのかと言うとそれには理由がある。
ある夏の夜、二人が寝ていると来客がやって来た。
──腹を空かせた鬼だった。
狭い家に逃げ道などない。
そして二人は丸腰だ。
" 絶対絶命 "
有「…俺が隙を作る。だからお前は窓から逃げろ」
無「何言ってるんだよ、兄さん…!!」
有「弱いお前に何が出来るんだよ!言う通りにしろ!」
有一郎は家にある物全てを鬼に向かって投げる。
有(…無一郎だけでも…!お願いです…弟だけは…!)
全ては愛する弟を守る為。
鬼「はァ?そんなんで抵抗してるつもりかよ?……ムカつくから死ね」
鬼は鋭い爪を有一郎に向けて伸ばす。
有(…………っ!!)
無「兄さんっ!!!!!」
──雪の呼吸 参ノ型
無数の雪の結晶が鬼の腕を切り裂いていく。
鬼「あ?」
鬼の視界には青い袴を穿いた女剣士がいた。
──綺麗でしょう?夏に降る雪も。
月明かりの下、静かに微笑む女性がAとそっくりだったのだ。
それから二人はその女性に再び会うため、二人で鬼殺隊への道を歩んだ。
有一郎は剣士としての才能はあったが刀の色が変わらず道は諦めたが、無一郎の休まる場所になる為、二人で屋敷に住むことを決めた。
それでも有一郎は剣を振ることを辞めず時々無一郎に稽古をつけてもらっている。
そしていつかまたあの女性に出会えた時は、こう呼ぼうと決めた。
───姉さん、と。
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ワト - 続きも楽しみにしています! (1月8日 15時) (レス) @page39 id: 2e5d7514a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年11月26日 22時