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なんで、俺怒ってんだろ。
部屋を出たことじゃなくて……
｢……ふり、まいてない……よ、｣
YG｢ミンジュンと抱き合って、嬉しそうに笑ってたじゃねーか。｣
｢だって……あったかかったし……｣
はあ？
何言ってんだこいつ。
あったかければなんてもいいのかよ。
……じゃなくて。
俺は、部屋を出たことを怒るべきで……
でも、それは俺が勝手にこいつに強いたことで、
YG｢あああああーーー、｣
｢……っ、？｣
つい大きな声を出してしまった。
俺はお前のなんなんだよ。
お前は俺のことなんだと思って普段から引っ付くんだよ。
YG｢お前さ、なんで俺の傍に寄ってくるの？俺のこと好きじゃないでしょ。｣
｢……。｣
ほら、答えない。
嫌いなんだろ。
分かってんだよこっちは。
｢……ユンギ…ヒョンと、傍に……いなきゃ、ダメなんだ、｣
YG｢……お前がそうしたいのか？｣
フルフル、と首を振る。
｢旦那様……が、僕を……人間にしてくれたんだ、｣
YG｢……は？｣
｢僕、ゴミ、だったんだって……ね、へへ、｣
なに笑ってんだよ。
｢僕、ユンギヒョンの傍にいれば……人間になれるんだって……｣
可哀想、以外の何ものでもなかった。
こいつは父さんに、そんなに酷いことを言われていた。
だから、俺は今、こいつに同情してて……
ああ、可哀想だなって、思ってるだけだ。
それなのに、
YG｢……っ、｣
俺から涙が溢れてくるのはなんでだよ。
俺は何がいったい悲しくて泣いてんだ。
｢ヒョン……？｣
お前も俺が可哀想に見えるか？
｢大丈夫、大丈夫だよ……｣
YG｢……っ｣
きゅっと無理に笑顔を作って俺の頭を撫でる。
無性に腹が立った。
お前はそれでいいのかって。
父さんにそんなこと言われて、悔しくないのかって。
YG｢お前は何もしてなくたって、人間だよ。｣
｢……僕は、捨てられたんだよ……？｣
YG｢そうだとしても、だ。お前騙されてるよ。｣
｢誰に……？｣
YG｢……っ、父さんにだよ！！！｣
わかんない、みたいな顔すんなって。
そんなフリやめろって。
俺も、やめるから。
俺も、もう、騙されたフリ
……いや、自分のこと騙すようなこと、しないから。
YG｢お前……A、｣
｢……！！｣
名前を呼んだだけで、嬉しそうに俺を見上げる。
YG｢ちゃんと、生きよう。｣
｢ちゃんと……生きる……？｣
YG｢ああ。自分にも誰にも騙されないように、自由に。｣
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作者名：アザラシ | 作成日時：2021年3月12日 22時
