大学 ページ24
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都内の国立大学に進学したAは、ずっと得意だった英語を伸ばしまくってペラペラになった。
大学2年。
｢ヒョンの店で働かせてください。｣
この言葉は本当に衝撃だった。
YG｢俺の店のこと、軽蔑してたんじゃないのか、｣
｢違う……！びっくりしただけです。｣
以前、Aに店の話をするとなんとも言えない微妙な顔をされた。
ホストバーなんて、世間的にあまり良くないものだから。
｢だって、お金って大事だし……救われる人はどんな仕事でもあると思います。｣
客も、従業員も。
そう付け足したAの瞳からは意志の固さが伝わってきた。
YG｢わかった。でも、俺たちが兄弟なのは秘密な。｣
｢え？どうしてですか、｣
YG｢あー……やりにくいだろ色々。｣
｢そういう……もんですか。分かりました。｣
YG｢オーナーって呼んで。｣
｢オーナー？｣
ふふっ、て笑いながら言うA。
Aにそう呼ばれると変な感じがする。
そのうち慣れるか。
｢採用ですか？｣
YG｢……あぁ。｣
｢やった！｣
変な客からは俺が守ればいい。
ジンヒョンもなんだかんだ頼れるし。
｢出勤はいつですか？｣
YG｢まあ待て。色々手続きとかあるから。｣
｢早くユンギヒョンの仕事姿見たいのに……｣
まさか、それが目的か？
YG｢不純な動機だな。｣
｢へへっ、いいじゃないですか！僕のかっこいいヒョンなんですからー！｣
僕のかっこいいヒョン？
お前はほんとに俺を喜ばすのが得意なようだな。
自分でも口角が上がるのがわかる。
単純だ。
お前を前にしたら、俺はほんとに単純になる。
YG｢……馬鹿なこと言ってないで、課題やれ。｣
｢はーい。｣
机の上のPCに目を向けるA。
｢……ふー、あっちいなぁ、｣
そう言って、着ていたトレーナーを脱ぐ。
薄手の長袖Tシャツ。
節約してるのか、ヨレヨレだぞ。
金なら出すのにいらないって頑固に言うけど、服を買う金くらい出させてくれよ。
YG｢……。｣
いくら可愛いAだって、男だ。
野郎だ。
なのに俺は、ふいにAの後ろ姿を見ると抱きしめたくなる。
体温を感じたくなる。
｢あ！そうだ！｣
ぐるりと首を回してこっちを向くもんだから俺は慌てて目を逸らす。
｢僕、今経営学を学んでるのでいつか自分のお店でも建てようかなって思ってるんです！｣
YG｢…ふーん……いいんじゃね、｣
｢へへ、僕、──────────｣
俺、ちゃんと喋れてるだろうか。
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作者名：アザラシ | 作成日時：2021年3月12日 22時
