卒業 ページ22
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冬が過ぎた。
今日はAの高校の卒業式だ。
血塗られたあの日からようやく３年が経った。
JN｢ユンギヤー、見て見て俺の顔。｣
YG｢はあ、｣
JN｢いつにも増してイケメンだろ？髪型変えたからかな？｣
YG｢ああ、そうですね。じゃあ戸締りよろしくお願いします。｣
後ろでヤーヤー言ってるジンヒョンを無視して店を出る。
俺の、店を。
俺はソウルに店を建てた。
超健全なホストバー。
いかがわしい方面で開業することだってできたし、手っ取り早く稼げたけどそんな店建てたらAに顔向けできない。
店も1年くらいかけて立派になったと思う。
従業員も個性豊かで顔がいいヤツらが集まった。
特に……ジンヒョンはほんとにイケメンだ。
自負もある。
育ちが良さそうなのにどうしてわざわざこの職業に就いたのかは、謎だけど、ほんとに有難い。
Aももう18か。
週に3日はどこかで会うようにしていた。
Aの勉強は順調そうだった。
大学は国立の名門に受かったらしい。
奨学金は家庭環境的に裕福で借りられなかったから、俺の個人の名義で金を借りた。
一刻も早く、あの家を出るために。
｢ヒョン！｣
校門の前で俺を待つAがいた。
ぶかぶかな制服はまだ少し大きいようだがすっかり着こなしている。
変わらずに、ヒョン、ヒョンって何度も俺の名前を呼ぶA。
可愛くて、愛しくて。
早く俺の元においてずっと一緒にいたい。
YG｢卒業おめでとう。｣
｢ありがとうございます。｣
へへ、と笑うA。
可愛すぎて抱きしめた。
｢えっ、ちょっと、ヒョン！｣
YG｢俺のペンション住めよ。｣
｢え？｣
YG｢最近建てた。俺の経営するペンション。そこ住め。｣
もぞもぞ俺の腕の中で暴れるA。
ん、ちょっと力強くなったか。
｢……もう！苦しかった！｣
YG｢ごめん。で、住むよな？｣
｢住みませんよ。どうせ高級なんでしょう。｣
YG｢まあ、ちょっとは豪華だ。｣
｢僕はバイトしてアパートに住みます。｣
は？
なんで。
YG｢俺と住もうよ。｣
｢いつまでも甘えてられません……旦那様にも、世話になってしまいましたし……｣
YG｢あんなのに感謝しなくていい。｣
｢一人で暮らしたいんです。｣
ちょっと……ショック。
俺の隣の部屋、Aのためにとっておいたのに。
｢でも、今までよりたくさん会えますよ。｣
YG｢……｣
ね？、なんて言うAは俺の扱いを分かっている。
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作者名：アザラシ | 作成日時：2021年3月12日 22時
