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YG｢新入生はあっちだって。｣
｢……。｣
学校に着いたはいいものの、Aは緊張ガチガチで俺のブレザーの裾を掴んでいる。
かわいいけどさ……
YG｢離せ。｣
｢……はい、｣
YG｢今日はとりあえずあの人混みの中に溶け込めたら充分だ。｣
｢……はい、｣
人混みだって初めてだろう。
俺も心配になってきた。
途中までついて行こうかな。
いや、過保護すぎるか？
mj｢おはよーーー！ユンギー！Aちゃーん！｣
げ。
ミンジュンだ。
YG｢……はよ。｣
｢おはよう…ございます……｣
mj｢いやぁー、制服姿も可愛いね！Aちゃん。｣
ミンジュンはしっかりAを見つめる。
Aもそのミンジュンの熱視線に目を逸らした。
mj｢新入生はあっちの校舎でしょ？行かないの？送って行ってあげようか？｣
｢いいんですか……？｣
mj｢ユンギが行かないなら俺行くよ。｣
おいおい、二人きりにさせるかバカ。
YG｢俺も行く。｣
｢……！！｣
パァっと明るくなるAの表情。
なんだ、こんなことなら早く送っていけば良かった。
なぜかミンジュン先頭に新入生の校舎に向かう。
1年生だけA棟で2年と3年はB棟。
A棟とB棟の距離はそこまで遠くはないが、屋外の渡り廊下を通らなくちゃならない。
雨の日とかどうすんだよ、まったく。
｢友だち……できますかね、僕。｣
mj｢大丈夫！Aちゃん可愛いから、すぐ寄ってくるよ人が。｣
YG｢いや、ダメだ。寄ってくるやつは全て無視しろ。｣
mj｢えっ？なにいってんの？｣
YG｢ミンジュンみたいな下心満載の男は警戒しろよ。｣
mj｢ちょーっと！！変なこと言わないで！｣
｢…下心……｣
チラリ、とミンジュンを見るA。
焦りだすミンジュン。
mj｢ないからね？ほんとにほんとに、下心とかないからね！？｣
はあ、友だちなんか出来なくったっていいのに。
ずっと俺といれば……って、一年後卒業か。
｢……。｣
mj｢おっ、ここだね。Aちゃん何組？｣
｢4組です。｣
mj｢じゃあ、あっちかー｣
……視線を感じる。
俺たち3年生がいるっていう違和感で新入生たちから視線を浴びせられている？
いや。
視線の半数以上、Aに向けられている。
｢……こわい、｣
mj｢ダイジョブダイジョブ！みんな見てるのはAちゃんが可愛いからだよ！｣
｢僕……かわいくない、｣
ああああ、不安だ。
すっげー嫌だ。
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作者名：アザラシ | 作成日時：2021年3月12日 22時
