ミン家 ページ1
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YG｢父さん、そいつ、誰……？｣
そいつはいきなり俺の目の前に現れた。
ちょうど、学校が終わって帰ってきたその後だった。
いつも通りでかい門をくぐって、サムスンさんの運転する車から降りて、一番大きな広間に向かった。
駐車場に父さんの車があったからだ。
珍しく家にいる。
会えるんだと思った。
父｢ああ、こいつは新しい家族だよ。｣
は……
新しい、家族……？
｢……｣
なんだ、こいつ。
ほそ。
女？
父｢まあまあ、そこに座れよユンギ。｣
父さんはどこか嬉しそうだ。
どうして……
どうして、俺といるより笑顔なんだよ。
父｢この子の名前はミンAだ。｣
ミン……？
父｢ほら、挨拶しなさい。｣
おい、待てよ。
｢……イ…A……｣
イ……？
ミンって言ってなかったか？
父｢A、今日からお前はミンAなんだぞ？｣
｢ミン……A……？｣
は……
わけわかんねえ。
父さんは一体なにをしてるんだ？
よそ者を敷地内に入れて、
父｢今日からこの子がお前の兄弟だ。まあ今色々調べてるが多分弟だろう。｣
さっきから何を言ってるんだよ。
YG｢……父さん、｣
父｢なんだ。｣
YG｢今日、さ……学校で、表彰されたんだ。｣
そうだ、思い出した。
この賞を見せたかったんだ。
中学三年間の成績優秀者に選ばれた。
今日、卒業式だったからさ。
父｢おお。凄いな。｣
……それだけ？
父｢高校も頑張れよ。応援してる。｣
YG｢……うん、｣
父｢A、ユンギ、俺はもう行くから2人で仲良くやっとけよ。｣
YG｢え……？｣
もう、行くの。
父さん、俺たち、1ヶ月ぶりに会ったんだよ。
父｢サムスン。あとは頼んだ。｣
SS｢旦那様……。｣
父｢なんだ。｣
SS｢これ、ユンギぼっちゃんの卒業証書です。｣
父｢ああ。｣
サムスンさんから、受け取って雑にカバンしまった。
一瞬だけ、見てから。
父｢車出せ。｣
a｢はい。｣
行くんだね、もう。
YG｢いってらっしゃい……｣
もう随分遠くまで歩いて行ってしまった。
この声はきっと父さんに届いていない。
ちらり、と隣の知らない子どもを見る。
YG｢サムスンさん。｣
SS｢なんでしょうか。｣
YG｢こいつ、誰。｣
SS｢……A……ぼっちゃんです。｣
は……
ぼっちゃん……？
｢……｣
認めない。
絶対に、認めない。
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作者名：アザラシ | 作成日時：2021年3月12日 22時
