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ページ7

・JM



テヒョンイから素早くその棒を奪って電源ボタンを押して動きを止めるAさん。

元にあった場所に片付けた。

あの棒は一体なんなんだろう。


「……さあ、ご飯を食べ」

TH「あれ、なんですか?」

JM「何に使うんですか?」


Aさんはずっと顔が赤かったけど、一瞬だけ目を閉じると、すん、ってなった。

すん、って。


「2人には、まだ早いよ……いや、うーん……早いっていうか、…」


何を言ってるのか全然分からなかった。

早いとなにかまずいのかな。


「とにかく、ご飯を食べて。本屋さんに行かないと。お勉強グッズも買うよ!ほら!学ぶべきはそこにある!」

TH「……?」

JM「……?」


様子のおかしいAさん。

なんだか新鮮だったし、見れてよかったな。

今日は慌てているAさんを2回も見られた。

一回目はテヒョンイのお料理で。

二回目は謎の震える棒で。

お店のヒョンたちに聞いてみよう。

答えてくれるかもしれない。


本屋さんで、教科書、というものをたくさん買った。

書くための鉛筆も、それを消すための消しゴムも。


TH「どうして、消すものも必要なんですか。」

「間違えた時に消すんだよ。」

TH「へぇ……間違い、」

「これからたくさん間違いをするかもしれないけど、文字なら消せるんだ。」


文字、なら……?


JM「文字以外は、消せないんですか。」


何を聞いているんだ僕は。


「うん。」


短くそう答えるAさん。

どこか悲しげで、だけど愛しげな表情だ。


「こうやって3人で過ごしている記憶も消えないよ。大切に思ってるとどんどん濃くなってくんだ。」


たしかに。

Aさんと出会ってから色濃い日々が続いてる。

何が濃いんだろうって思ってたけど、記憶ってことだったのか。

大切な記憶。

テヒョンイとの記憶と、Aさんとの記憶。


「いつか、悲しい記憶もかき消すくらい、幸せになろうね。」


幸せ……


幸せになろう。


幸せになりたい……!


TH「Aさん、重くないですか。」

「うん。テヒョンイの方がいっぱい持ってるじゃん。」

JM「Aさんも、辛くなったらなんでも言ってくださいね。」

「……!」


驚いたように目をまん丸と開ける。

養ってもらってる身でいっちょ前に言ってみた。

だけど、この言葉を求められているような気がしたんだよ。


「ありがとう。」


僕は今、Aさんになにか与えることができたのかな。

同士→←消しゴム



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名無し74524号(プロフ) - はさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ長いのに読んでくださって感謝です!!テヒョンさんがいつの日かにサックス演奏者になりたいと仰ってたのでその設定もつけました!これからもどうぞよろしくお願いします! (2021年5月6日 12時) (レス) id: 167dd810cf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初見です!めちゃくちゃ読み応えがあってほんとに面白いです!!ストーリーに面白みがあって、でも現実と同じ出身校だったり。。最高です!!今私高1で、1日の終わりに読むのがとても楽しみになってます!まだまだ楽しくなりそうなこのお話を、毎日の楽しみにします!! (2021年5月6日 6時) (レス) id: 2f07946095 (このIDを非表示/違反報告)
ニートルズ。 - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2021年3月4日 22時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アザラシ | 作成日時:2021年3月4日 20時

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